事務所の先輩・河合優実は「淡い水彩画のよう。勉強になりました」

「あのシーンの河合さんは、新米の私だったら途方に暮れそうなくらいのセリフ量を完璧に覚えてきて、一言も間違えずに発されていてびっくりしました。それだけでもすごいのに、くっきりはっきりした演技ではなく淡い水彩画のような微妙なニュアンスを表現されていて、本当に勉強になりました」

 臆することなく「いつか河合さんのような演技もやってみたいです。その先に、自分一人だけのオリジナルな演技を作れたらカッコいいですよね」と屈託なく言い切る鈴木。「フキちゃんと真反対のとにかく明るい役もやってみたいです」という彼女がますます躍進する未来に期待が高まる。

 オーディション時に動物の鳴きマネを披露したエピソードに話が及ぶと、その場で馬や猫の見事な声帯模写を披露し「今日は残念ながら喉の調子が良くなくて、声の伸びが悪い」と自らダメ出ししたり、「大好きな映画『ドラえもん のび太の新恐竜』の脚本を書かれた川村元気さんが『8番出口』でカンヌ国際映画祭に参加すると聞いて“一緒だ!”と嬉しかったです」と笑顔を見せたり、プロフェッショナルな一面以外にも多くの魅力的な顔を持つ鈴木唯。『ルノワール』を機に、日本の観客をも虜にすることだろう。

鈴木 唯(すずき・ゆい)

2013年3月30日生まれ、埼玉県出身。2024年、映画『ふれる』で映画初出演にして初主演を務める。主な出演作に『ここで吸っちゃダメ!』、『3月11日』、『少年と犬』など。

『ルノワール』

6月20日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
脚本・監督:早川千絵
出演:鈴木唯 石田ひかり 中島歩 河合優実 坂東龍汰 リリー・フランキー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2025『RENOIR』製作委員会 / International Partners
https://happinet-phantom.com/renoir/

2025.06.20(金)
文=SYO
撮影=榎本麻美