地産地消やオーガニック、野菜の花...地域の繋がりで実現した取り組み
山があり海があり自然豊かな鎌倉で、できるだけ地産地消、そして環境にも寄り添うこと。それは地域に長く愛されるために必要不可欠だと、前田さんは話します。

オーガニックフラワーを取り揃えていることも環境への思いから。若干値が張るオーガニックフラワーも、地産のものを仕入れることで輸送コストを削減し、手に取りやすい価格にしているそう。
「花屋の使命として、市場からしっかりお花を仕入れてお客様のあらゆるご要望に応えられるようにしつつ、オーガニックフラワーという選択肢がある未来も作っていけたらいいなと思っています」。

さらに「gui flower kamakura」ならではの取り組みといえるのが、「野菜の花」の販売。この日店頭に並んでいたのは、鎌倉大根の花、白菜の花、ルッコラの花。これらは鎌倉にあるレストランの農園で栽培されているもので、実際に食べられると言います。
「農家のスタッフもこのお店に立つんですよ。朝収穫した野菜の花を持ってきてそのまま。食べられるものだからこそ、作り手の顔が見えると安心ですよね」と、前田さんは野菜の花の販売に自信を持ちます。
安心安全に食べられる野菜の花が店頭に並ぶのは、花屋・レストラン・農園が手を取り合って実現したこと。「この地域は小さく商いをしている人が多く、一度知り合うと繋がりを持ちやすいんです」と、大松さんは地域のコミュニティ意識が背景にあることを教えてくれました。


ほかにも、販売されている鉢は北鎌倉在住のアーティスト・小西ハレー氏による一点もので、購入した花を包むラッピング紙は逗子に住むアーティスト・山中タイキ氏が鎌倉の自然を表現したオリジナルデザイン。「gui flower kamakura」のさまざまな取り組みは、この地で生まれたご縁が礎になっているようです。
2025.06.13(金)
文= 上野 郁
写真= 釜谷洋史