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脱稿したのは、街でいちばん由緒ある5つ星ホテル

 最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」を書き上げたのも、ここエジンバラ。J.K.ローリングは、当時の様子をインタビューで語っています。

「窓拭き業者が来て、子どもたちは家にいて、犬はずっと吠えている。とてもじゃないけど仕事にならない」。そんなとき、ふとひらめいたそうです――お金をかければ、解決できる!

 すでに世界的ベストセラー作家だったJ.K.ローリングが滞在先に選んだのは、1902年創業の老舗ホテル「ザ・バルモラル・エジンバラ」。プリンシズ・ストリートとノースブリッジに面した角部屋・552号室に、2006年8月から翌年1月11日まで滞在しました。

 執筆の合間、一息つくときには、窓辺から街の往来を眺めていたのかもしれません。そしてついに脱稿。部屋にあったギリシャ神話の胸像に走り書きでメッセージを記したそうです。この部屋はのちに「J.K.ローリング・スイート」と改名。胸像の直筆のメッセージが見られるのは、宿泊者の特権です。

まだまだあった、ハリー・ポッターゆかりの地

 ホグワーツ魔法魔術学校のヒントになったのは、名門私立学校の「ジョージ・ヘリオット・スクール」。尖塔がそびえている外観や、4つのハウスに分かれているあたりも、ホグワーツの着想につながったのかも。

 一般公開はされていませんが、門の外から眺めることはできます。また、フェティス・カレッジやエジンバラ城もホグワーツのインスピレーションを得た場所とされています。

 さらに「エジンバラ市庁舎」の正面の石板には、2008年に市からエジンバラ賞を授与されたJ.K.ローリングの手形が再現されています。

 グリンゴッツ魔法銀行のインスピレーションのひとつになったのは、「ミュージアム・オン・ザ・マウンド」という博物館。

 街のどこかでハリーやハーマイオニーが歩いていそうなエジンバラ。歴史的な街並みは歩いているだけで、ワクワクしてきます。

W Edinburgh(Wエジンバラ)

所在地 1 St James Square, Edinburgh, Scotland, United Kingdom, EH1 3AX
電話 +44-131-3888000
https://www.marriott.com/en-us/hotels/ediwh-w-edinburgh

取材協力/英国政府観光庁

Starring GREAT Britain - the movie (JP)
https://youtu.be/zP9yUGuoxy0?feature=shared
HP:VisitBritain.com

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram @chieko_koseki

次の話を読む「ハリー・ポッター」の聖地から徒歩圏内にある「Wホテル」、その斬新なデザインとホスピタリティに注目!

2025.06.14(土)
文・撮影=古関千恵子