ディズニーランドと“生活”には共通点がある

――税金などの制度だけでなく、日々の生活を工夫することでお金の無駄使いを防ぐということですね。

 たとえばディズニーランドに行くとき、最初に予算を考えていれば「入場料が〇〇円で、食事にかかるお金は〇〇円。ということは、お土産は何個買えるな」って事前に計画して計算しているから満足して帰れるじゃないですか。けど、事前に計画を立てない人は高いレストランに行った後、お土産が欲しくなったときにお金が足りないことに気付く。もしくはお金がないのにさらにお土産も買ってしまう。生活も同じです。人生でいくらかかるのかを知らないでお金を使うのは、ディズニーランドで残りのお金がないのにたくさんお土産を買ってしまっているのと一緒なんです。

 こう考えると、計画性がないって、めちゃくちゃ怖いことでしょう? そういう人のために人生設計の全てを見るのがファイナンシャルプランナーの役割なんです。

小さなことを120%楽しみながら生活すると、お金は案外必要ない

――具体的に、八木さんが実践しているお金の工夫はありますか?

 スーパーに行った時は食品のポテンシャルを考えながら買い物をします。お揚げさんは値段のわりにいろんな料理に活用できるから買っていい。カレーのルーとか豆腐もそう。あと、卵、もやし、ミンチ(ひき肉)……。費用対効果のいい食材を使って、味を変えながら料理するんです。

 散髪もそう。僕、奥さんに髪を切ってもらってるんですよ。もちろん奥さんはプロじゃないんですが、美容師さんの修行が3年くらいやと考えると、同じ年月、僕の髪で練習すればうまなるんちゃうかなと思って(笑)。もう4~5年切ってもらってますから、うまいですよ!

 寿司も、高い店には行きません。テイクアウトのお寿司を買ってきて、家できれいなお皿に並べるんです。で、ええ箸を用意して、お琴のBGMをかけて、メニューは高級店を真似して手書きで書く。これ、1500円くらいでできますよ。

――お子さんが、どこかに遊びに行きたいと言った時はどうしているんですか?

 「ひらかたパーク」の年パスを買っています。行くからには徹底的に楽しむと決めて通い詰めたら、子ども達がお化け屋敷を怖がらなくなって、3万点以上で景品がもらえる高難易度のシューティングゲームも、我が家は全員クリアしました。挙句、子どもが「パパ、もう嫌や。ひらパー行くの」って言い出しました(笑)。

2025.04.19(土)
文=高本亜紀
撮影=鈴木七絵