小学6年生でローティーン向けファッション雑誌『nicola』の専属モデルとしてデビューしてから16年。藤田ニコルさん(27)が自身初の美容本『私が垢抜けた82の方法』(講談社)を手がけました。

 ニコルさんのブレイクのきっかけといえば、厚めの前髪と濃いメイク、「にこるんビーム」の決め台詞。バラエティ番組に引っ張りだこの10代を過ごしました。しかしSNSに並ぶのは「藤田ニコル ブス」という誹謗中傷ばかり。自信を失くした彼女が「私はかわいい」と思えるようになるまでの軌跡とは?

「かわいい、かわいい」と育てられた子が社会から「ブス」を突き付けられた

――書籍の帯に、懐かしい10代の頃のお写真が載っています。

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 これ、あえてインスタグラムの一番古い写真の中から選んだんですよ。まさに「ブス」とか言われていた頃だけど、インスタに投稿するくらいだから当時の自分が盛れてると思っていた最上級の写真なんです。

 今の10代はこの私を知らないですよね、きっと(笑)。でも、逆に当時のことを覚えている人にはさすがに「藤田ニコル垢抜けた?」って見比べて思ってもらえるかなって。

――誹謗中傷を受けていたことを思い出してしまうのでは……?

 たしかに。でも、今でもこの自分、かわいいじゃん! って思ってるんですよ。お母さんにも「かわいい、かわいい」って褒められて育った子なので。テレビで皆さんに知ってもらうようになって、SNSで容姿に関するコメントを受けてはじめて「あ、私ってかわいくないんだ」と考え始めたんです。

――10代にはかなり酷な経験です。

 そこで、自分自身と向き合う時間が生まれました。「他人は私の容姿に厳しいんだ」と知ったというか。

――当時の誹謗中傷のなかには、ゲーム「遊戯王デュエルモンスターズ」に登場するカード「強欲な壺」に似ているなんてコメントもありました。

 あれを跳ね返す強い心、保ち続けるの大変でしたよ。当時はバラエティによく呼んでもらってたから「どうやったら面白くできるかな」って必死に考えていたけど、実はちゃんと傷ついていました。

2025.04.18(金)
文=CREA編集部
撮影=山元茂樹