「あの……なんか……桜花宮っぽくないですか?」
「私も今、おんなじことを言おうとしてました」
探していたのは「山内をイメージした香り」だったのですが、山内全体というよりも、いかにも桜花宮っぽい香りと出会ってしまったのです。
特定の姫の匂いとか、どこかの家の伝統的なお香とかではなく、桜が満開の時期の桜花宮の花見台で、色々な女性が集まっていらっしゃる時などは、きっとこのようなすばらしい香りがするのでしょうね……といった感じでした。
しかし、今求められているのは「山内っぽいお香」です。
全てを試し終わった後、神域みたいな水の匂いを思わせるサンプル(こちらも大変良い香りで個人的なお気に入りでした)にも出会えたのですが、売り出す時期と合わせて考えても、桜花宮パフュームを皆様にお届けしたい気持ちは捨てきれませんでした。
「ええ~? このサンプル、めっちゃ素敵な香りですけど、でも最初に設定したコンセプトからは外れちゃいますよね……?」
「ここは一旦社に持ち帰って、『山内の香 桜花宮』として提案してみます!」
私と同調して「これは絶対桜花宮ですよ! この絶妙なトリップ感を読者の皆様にもお届けしたい!」と力強く言い切った編集さんが決然たる足取りでお帰りになった結果、「山内の香 桜花宮」はめでたく発売と相成りました。

オマケに、文藝春秋のお正月広告でお目見えした、名司生さんによる雪哉のポストカードも付けて頂けることになりました! 箱やポストカードのデザインは、いつも八咫烏シリーズ関係の諸々を一手に引き受けて下さっている敏腕デザイナー、野中深雪さんに手がけて頂きました!

桜花宮イメージのお香12本とお花のワンポイントの入ったお香立て、そして名司生さんの雪哉ポストカードのセットで、お値段は3500円+税となります。
今回のお香は受注商品で、3月24日から始まる大垣書店京都本店のPOPUPショップか、あるいは八咫烏シリーズ公式グッズショップでご注文頂けます!
2025.03.29(土)