新刊『亡霊の烏』発売を記念してポップアップショップが拡大されたことはすでにお知らせした通りですが、今回新たに新グッズ「山内の香 桜花宮」が発売されることになりました!

 以前より、「グッズを作るのならば四家と宗家のお香を作ってみたいんですよね~」とあちこちで言っていたのですが、まずは家ではなく場所にフォーカスをして、「桜花宮ってこんな香りがしているのでは……?」という感じのお香のお届けとなります。

 実は、もともとのコンセプトでは「山内をイメージした香りにしましょう!」という感じでした。火を使いますし、文藝春秋のサロンや会議室で何本ものお香を焚くのは現実的ではないので、試香は都内にある私の仕事場で行うことになりました。

 時期はちょうど最新刊となる『亡霊の烏』の再校ゲラ作業の受け渡し時期です。

 あれこれ言いながら作業机でゲラの受け渡し作業を終え、各種打ち合わせが終了した後、いよいよといった体で現れたのが、大量の「山内っぽいお香」のサンプルでした。

 私は前々からお香が大好きでしたので、家には「なんでこんなにあるんですか!?」と来客にびっくりされるくらいの数のお香立てがあります。

 匂いが混ざってしまっては困るので、ひとつ試すごとに換気を行い、場所を変え、リフレッシュするために廊下と仕事部屋を行ったり来たりしながら、担当編集さんとキャッキャと大量のサンプルを試させて頂きました。

 探していたのは「山内をイメージした香り」だったのですが、この「山内」の解釈もやはり様々でして、試しているうちに、四大貴族とか、特定のキャラクターとかを想起させるものなども出てきました。

「これ、スパイシーな感じが、なんか南家っぽくないですか?」
「南家っぽいというか個人的には路近のイメージですね」
「いつかキャラごとのお香とか作っても面白いかもしれないですよね」
「まあ、言うだけならタダですからね~」

 などと言い合いながら色々な香りを楽しんでいた最中、とある一本に火をつけた瞬間、私と編集さんは顔を見合わせたのです。

2025.03.29(土)