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子供向けの絵本にするため、お得意のギャグを封印!

――今回の絵本『メロとタビのクッキーだいさくせん』はメロとタビがまめこさんに隠れてクッキーを作るお話です。ストーリー着想のきっかけは?

まめこ 最初はメロとタビの夢の世界の物語にしようかとも考えたんですけど、32ページにまとめて落とし込むという作業に慣れておらずなかなか……。構成や情報の多さもやっぱりマンガとは違うから、難しかったですね。シンプルなストーリーにするために家のなかを舞台にして、食べ物は絶対に描きたかったからクッキーを作る話にして……という感じでまとめていきました。

 あと私はギャグをやっぱり挟みたくなっちゃうんですけど、担当編集さんや姉から、「落ち着け!」って諭されました(笑)。構成を練る段階で、ギャグを入れ込みすぎた案を出したときがあったんですよ。クッキーを作る途中で、いきなりメロが筋トレし始めたりとか。そういうのは2人から「いらんいらん」ってうまいこと説得されて、今回はギャクを封印して、子どもが喜ぶ絵本を目指すことになりました。

――ギャグマンガの名手としては、なかなか大変な決断だったのでは?

まめこ 私、説明がめちゃくちゃ多いマンガを描いちゃうタイプなんですよね。だから、ギャグの封印もそうですけど、その匙加減を教えてくれた編集さんには感謝です! 編集さんの提案はいつも感動レベルでした。

――いつものマンガと違って、作中でまめこさんがあまり登場しないことも印象的でした。

まめこ 主人公はメロとタビなので、猫の世界だけで完結したかったんです。だから、私はその2匹の世界にただ一緒にいるヤツみたいな。同居人として徹することにしました。

2025.02.21(金)
文=船橋麻貴
マンガ・写真=まめきちまめこ