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芸能関係者と保護猫をつなぐ重要な役割も……真摯に、誠実に猫と向き合うひとりの若手俳優の日々

 2月22日はニャン・ニャン・ニャン=猫の日。1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集したCREAが、猫と猫を愛する人にフォーカス。

 俳優の円井わんさんは現在、ウランちゃん&ルイくんという愛猫2匹とともに暮らしており、保護猫活動も熱心に行っている。

 円井さんといえば、連続テレビ小説「虎に翼」の音羽綾子役や、「不適切にもほどがある!」、主演映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』など話題作への出演が相次いでおり、急上昇中の注目俳優。

 日々の撮影で忙しいなか彩られる、円井さんと猫との暮らしとは。インタビュー後篇では、円井さんが2020年より始めた保護猫活動について、教えていただいた。

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海辺に捨てられていた3匹の仔猫を見て憤りを感じた

――円井さんの芸名は「性格的に丸くなってほしいから」という理由でつけられたと伺いました。猫について語る円井さんからは尖っている雰囲気はみじんも感じないのですが、かつて丸くない時代があったんですか?

 実はそうなんです。18歳で上京して、まだウランとルイを飼ってない頃は“尖って”いましたね……。「なめられたくない」という気持ちが、10代は特に強かったんです。もちろん先輩に挨拶はするんですけど、現場以外の場所で話しかけられたときは、不機嫌そうな顔で、小声で「……ああ、はい……」みたいな(苦笑)。年上の先輩たちに「まだ18歳かぁ~」みたいなことを言われたときには、それはもう意図的に「10代だからって、女だからってなめるなよ!」と思って態度に出していましたね。

 あるとき、300人ぐらいで一斉にオーディションを受ける機会があったんです。一人一人自己紹介をして、「一言何か言ってください」というときに、私は「人間、嫌いです」と言ってしまって。それを聞いていた同じ事務所の役者さんから「もうちょっと丸くなってくれ!」と言われて、それで“円井(まるい)”になりました。

――意識的に尖らせていたのですね。

 はい、まるで甲冑を着こむように自分を守っていました。素の自分は違うので、「いつ、これをやめようか……」と悩んだこともありますね。結局、20歳を超えてから自然と丸くなれました。ちょうど猫を飼い始めた時期なので、もしかしたらウランのおかげなのかも?

――現在、円井さんは保護猫活動もされています。もともと初代のこなつちゃんを17歳のときに保護されていますが、上京してから保護猫活動を本格的に始められたんですか?

 そうですね、ウランを引き取ったことがきっかけで始めました。ウランは最初、3姉妹そろって海辺に捨てられていたんです。砂浜で発見されたときは、本当に手のひらに収まるくらいの小さい体で。

 「ありえない、何でこんなかわいい子たちを捨てられるんだろう」と憤りましたし、疑問に思いました。うちの子になったご縁もありますが、それをきっかけに2020年ころから保護猫活動を始めました。ペットの健康管理にまつわる専門知識も学び、資格も取得しました。

――円井さんの保護猫活動は、具体的にどのようなことをされているんでしょうか?

2025.02.22(土)
文=赤山恭子
写真=円井わん