日本の玩具市場規模は2023年度に初の1兆円超え

 そして、ここ数年カードゲーム・トレーディングカードの市場は右肩上がりで、日本玩具協会の発表によると、2023年度には2774億円市場になっているほどだ。

 この数字は現実にも反映されている。2022年ごろには秋葉原でTCG専門店が急増しているとされ、2024年の現在は都心から離れたショッピングモールのような場所でもそういったショップが当たり前になってきたような状況だ。

 あるいはショッピングモールのゲームセンターにはTCGのカードが景品となったクレーンキャッチャーがあったり、あちこちにオリパ(非公式に販売されるTCGのオリジナルパック)自販機が設置されていたりと、異様な熱気といえるほど。少し前では考えにくい状況だろう。

 2023年にはNHK『クローズアップ現代』でTCG特集が組まれており、そのカードの高騰ぶりが紹介されている。カードのなかには希少価値が高いものもあり、かつ時間が経っても数が増えないものは高騰しやすい。ヒカキンが通称「かいりきリザードン」を5000万円で購入したのは有名だろう。そこまでいかずとも、レアカードは数千円~数万円、ものによっては数十万円で取引されるのだからかなりのインパクトだ。

 一部のカードがここまで高騰するとなると、当然ながら投機目的で購入する人が出てきたり、レアカードを転売する人も出てくる。なお、オランダではゴッホ美術館とポケモンのコラボが実施されて特別なプロモカードが配布されたのだが、当然のように大混乱を起こしたそうだ。こうなるとますます人気は加熱していき、TCGを遊ばない人もカードを欲しがるようになる。

2024.12.24(火)
文=渡邉卓也