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 例えば、子どもが赤ちゃんのときの洋服。

 「もう着られないから手放そう。あ、でもリメイクすれば何かに使えるかもしれない。ぞうきんとか。いや、思い出もある洋服をぞうきんにするのもどうなのか……」と、決断できないまま置きっぱなしになるというモノばかり。

 片づけのプロからモノを手放す基準を学ぶと、“いる・いらない”の判断がスムーズになりました。

 小学5年生の娘にもコツを伝えると、自分でいらないモノを次々と手放すように。今まで片づけられないと思っていましたが、みかさんと同じようにやり方がわからないだけだったのです。

 娘と一緒に片づけると、家の中から出た45リットルのゴミ袋は、合計でなんと65袋!

 「片づくことが楽しくなって、娘とのコミュニケーションも円滑になりました。反抗期だった娘が、片づけ終わる頃にはそんな素振りをまったく見せなくなったんです」

片づけで気づいた娘の気持ちと息子の“できること”

 家が散らかっていたときは家事がしにくかったり、探し物が多かったり、みかさんはいつもイライラしていました。娘は本当はみかさんと話したかったのに、余裕がないためにあまり聞いてあげられず、娘もイライラして反抗的な態度につながっていたのです。家が片づいてからは気持ちも時間も余裕ができて、娘の話をたくさん聞いてあげられるようになりました。

 片づけによる変化は、息子にも起こります。

リビング

「実は息子には重度の知的障害があって、自分で片づけはできません。でも、学校ではリュックを自分の場所に置いたり、校内着に着替えたり、ルーティンはこなせると先生から聞いていたので、家でも片づけを教えてみようと思ったんです」

 モノの定位置を決めて、取り出しやすく、戻しやすい仕組みを作りました。すると、「脱いだ上着はどうするの?」と声をかけると、自分でハンガーにかけられるようになりました。子どもたちのためにも片づけてよかったと、夫と喜び合いました。

「片づけで、自分の気持ちがこんなに変わるものかと思いました。家族へかける言葉も変わったし、スッキリした家だと朝起きたときに気分がいいんです。“今日もいい一日になりそうだ!”って」

 今後の目標は実家と祖母の家も片づけることだそうです。

【彩智POINT】

片づけをしようと思って10 年経過。意外とあることです。でも65袋もゴミを出したら絶対、生活も気持ちも変わります。家族の様子もしっかり見ることができたんですね。

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2024.12.01(日)
文=西﨑彩智