この記事の連載

 専業主婦だった穏やかな生活が夫のリストラで一転、アラフィフにしてシングルマザーになった西﨑彩智さん。しかし片づけをしながら自問自答を繰り返すうちに「人生も子どもの学費も全部引き受けて生きていく」という覚悟が決まり、片づけの会社を起業するに至ります。

 お片づけ習慣化コンサルタントとなった西﨑さんは、「必要なのは変わりたいという気持ち、そして毎日10分だけでも片づけに充て、少しでもきれいになったら自分自身に“いいね”をあげること」と話します。西﨑さんの著書『人生が変わる 片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』より、一部を抜粋して紹介します。


娘と一緒に片づけをしたら反抗期だった娘の笑顔が増えた

●CASE 家族構成 みかさん(40歳・教育関係)+夫+子ども2人

 みかさんに大きな変化が起こる前、家の中はモノであふれていました。記憶の中の実家も、小さな頃からモノが散乱している状態。実家の近くにある祖母の家も散らかっていて、きれいな家で生活をしたことがほぼないまま、みかさんは大人になりました。

 床置きされているモノをどかさないと、部屋のドアは開かない。取り込んだまま放置している洗濯物にゴミが混ざる。毎日がこんな感じでした。

 “子どもが幼稚園に通い始めるまでに”と思っていた片づけはどんどん後回しになり、気づけば達成できないまま10年が経過。

 散らかった家では、「友だちを家に呼びたい」「料理のお手伝いをしたい」という子どものささやかな願いも叶えてあげられません。

 「こんな自分を変えよう」と、今までにない強い気持ちで片づけを決意。

 みかさんは、モノを手放す判断も後回しにしていました。

2024.12.01(日)
文=西﨑彩智