月の食材を美味しく食べて、月のエネルギーを体内に取り入れる
“食べること”は、私たちの生命にとって必要不可欠な行為です。世界各地に伝わる魅力的な料理は、その国の文化そのものです。食材に手を加えて、できるだけ美味しく料理をいただく。それこそ人間の知恵であり、生きる喜びに通じるものです。
ただ食欲を満たすのではなく、やはり食事は楽しく食べたいですね。今回は、月や星座、天体と食べ物との不思議な関係について、お教えしましょう。
占星術の基本的な考え方に「万物照応の法則」というのがあります。地上に住まう人間や動物、そして植物や鉱物は、すべて宇宙の天体に関わっているというのです。つまり個人個人に誕生星座があるように、食べ物や食材にも関係する星があるということ。
昔の人々は、月や星と人間の心や体の関係について、独自の考えを持っていました。たとえば月が支配する食べ物には、気分を和らげ、健康や愛、友情を育む力があるというのです。多産を象徴し、直感を高めるとも信じられてきました。つまり月の食材を使った料理をいただくことで、月のエネルギーを体内に取り入れようと考えたのです。
もちろん、この考え方には医学的、栄養学的根拠はありません。でも毎日の仕事がハードで気持ちが沈むとき、「自分が何を食べたいのかわからない」という状態に陥ることはありませんか? そんなときこそ、昔の人々が実践してきた方法で、食事を楽しんでみてはいかがでしょう。
一般的に月の食材と呼ばれるものは……。
エビやカニなどの甲殻類、貝類(これらの生殖に月の満ち欠けが関わるからでしょう)。
キャベツやキュウリ、カリフラワー、ブロッコリー、レタス、カボチャ(水分の多い野菜が挙げられます)。
卵、チーズ、ヨーグルト、豆腐やレモン、メロン、ココナッツ、マンゴー、パパイヤなど。
これらの食材を、新月や満月といった、月が特別な位相を作るときに食べると、気分を和らげ、滋養効果が高い(栄養学的というより、精神的な意味で)と言われます。
私などは、新月の日にエビやホタテを月の満ち欠けに見立てた冷製サラダを作ったりします。料理に遊び心を加えて、日々の生活を豊かに楽しむのです。
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2014.05.01(木)
文・撮影・料理=岡本翔子