月の満ち欠けに沿った肌のお手入れ方法を取り入れてみましょう

夜明けの砂漠の空で見た、新月前日の細い月

 私が月のリズムや満ち欠けに魅せられたのは、旅行でサハラ砂漠を訪れたとき、実際に月が空に昇るさまを目のあたりにしたのがキッカケです。新月の次の日、夕日が沈む西の空に姿を現す銀色の細い月、また日没後の東の地平線に昇る神々しいまでの満月が見たくて、何度も何度も砂漠に足を運ぶことになりました。

 私のお気に入りのサハラ砂漠は、北アフリカ、モロッコのアルジェリア国境近くに位置しています。砂漠の月に魅せられると同時に、イスラム圏でいまだに使用されている月の暦にも興味がわき、今では春と秋に1カ月ずつ、モロッコのマラケシュで過ごすようになってしまいました。

 さて今回のテーマは「月とスキンケア」。乾燥が激しいモロッコの気候ですが、現地の女性たちはきれいな素肌の人が多いのです。よくよく調べてみると、モロッコは自然の植物の宝庫。世界的に有名なダマスクローズに始まり、自生するハーブの数々、また近年、美容業界で注目されているアルガンオイルなど、モロッコの女性たちは現地で採れる自然の植物を、昔から伝わる伝統的なレシピで、日々のスキンケアに取り入れています。

 実は肌のターンオーバーは、月の満ち欠けと同様、28日周期といわれています。ヨーロッパ(特にドイツやスイスなど)では昔から、月の満ち欠けに沿った肌のお手入れ法が提唱されています。その説とは……。

 新月から満月までの「満ちていく月」の期間は、「補給」「摂取」、つまり身体が水分や栄養を吸収しやすく、素肌作りのケアを行うのに適しているといわれています。身体がいろんなものを摂り込んで、エネルギーを蓄える期間です。多くのスキンケアブランドが、14日間のトライアルキットを出しているのも、うなずけます。

 逆に満月から新月までの「欠けていく月」の期間は、「解毒」「洗浄」「乾燥」がキーワード。身体がムダなものを手放し、毒素を排出しやすくなるので、肌の汚れや角質を取り去り、洗い流すのに適しているというのです。

 もっと簡単に言うと、満ちていく月の期間には、“与えるケア”を、そして欠けていく月の期間には、“手放すケア”を行うとよい、ということになります。

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2013.11.01(金)