コンセプトは「代官山ローカル=全国区」

さまざまなショップやレストラン、カフェ、ギャラリーなどを擁するヒルサイドテラス。旧山手通り沿いにたたずむ、代官山エリアのランドマークである。

 2014年、代官山「ヒルサイドテラス」は誕生から45年を迎えた。

 世界的建築家・槇文彦氏による10棟からなるアーバンコンプレックスは、現在の代官山の街並みの核となり、建築、美術、デザイン、ファッション、食など、多様な文化の発信拠点となってきた。そのヒルサイドテラスが、今度は小冊子「代官山ヒルサイドテラス通信」を創刊した。

 同誌は、 「代官山ローカル=全国区」というコンセプトのもと、地域・世代・ジャンルを超えた人々をつなぐメディアとなることを目指す。エッセイを中心に、代官山のまちづくりやイベント情報も掲載。寄稿者はヒルサイドテラス・ネットワークに連なる、全国区で活躍するクリエーターや文化人たちだ。

 例えば、巻頭エッセイを寄せるファッションブランド、ミナペルホネンの皆川明氏は、10数年来、シーズン毎の展示会をヒルサイドテラスで開催している“常連”。建築空間の魅力と長年にわたる人々との交流を語っている。

 ドイツ文学者でエッセイストの池内紀氏は、会員制図書室「ヒルサイドライブラリー」の選書に関わった「100人の目利き」のひとり。ちなみにヒルサイドテラスには誰でも入会できるクラブヒルサイドという会員組織があって、ライブラリーやサロンの運営の他、様々なイベントやスクールを主催している。最近はCREA世代の会員も増えているという。

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2014.04.14(月)