この施設のオーナーが語る江戸時代の代官山の話も

幅広いカルチャーを横断する目次が興味をかき立てる。ブルーを基調とした中面のデザインもシック。10月に発行される予定の第2号が、早くも楽しみだ。

 エッセイ、イラスト、写真――。1ページ1ページが、こうしたヒルサイドテラスとのパーソナルなつながりをベースにしながら、普遍的な世界に開かれている――それが本誌の不思議な魅力だ。

 監修は、「大地の芸術祭」や「瀬戸内国際芸術祭」、現在開催中の「いちはらアート×ミックス」などアートによる地域づくりを手掛けるアートディレクターの北川フラム氏。氏が主宰するアートフロントギャラリーもまたヒルサイドテラスにあり、オーナーである朝倉家の人々と共に、文化プログラムやまちづくりに携わってきた。越後妻有や瀬戸内につながる「まちづくり」の原点はヒルサイドテラスにあったのだ。

 他には、ヒルサイドテラス・オーナーが語る江戸時代の代官山の話や、代官山の再開発事情、そして隣人・代官山蔦屋書店のページもある。

 四半世紀以上をかけて建設された「スローアーキテクチュア」の先駆け・ヒルサイドテラス。この通信も当面は年2回、春と秋のゆるやかなペースでの刊行となる。代官山好きはもちろん、代官山を知らない人も楽しめる、新しい代官山のローカルパブリッシングだ。

「代官山ヒルサイドテラス通信」
発行 朝倉不動産
定価 300円(税込)

2014.04.14(月)