「のりが乾くまで待つのが面倒」「出し過ぎて紙がヨレヨレ」……たとえば封筒を閉じるとき、やっかいな事態を招きがちな、のり。また、テープのりは曲線がうまく塗れない、両面テープのはくり紙がなかなか剥がれないなど、意外な落とし穴がたくさんある「貼る」という作業。これを効率よく進められる最新文房具に迫ります!
新作が続々登場の「貼る」ための文房具
怒涛の封書詰めやDM作りもお任せあれ!
突然ですが、この文房具はいったい何でしょう?
「ピリピリピリ」という小さな音が聞こえてくる、このローラー式の文房具。テープのり? 修正テープ? いえいえ、正解は両面テープです。従来の両面テープには、はくり紙が付いており、貼り付けてからそれを剥がすというひと手間が必須。でもその手間が何よりも面倒くさい! 「ならば、はくり紙をとってしまってテープだけを巻いたローラー式にしてしまえばいいんじゃないかと思って」とコクヨS&Tの伊藤裕美さん。使いたいところにローラーを滑らせるだけでOKという「ラクハリ」。オフィスではもちろん、家庭でも活躍しそうです。
このワンタッチの便利さというのは、もはや「貼る」文房具の世界では共通スペックであり、さらなる進化をも遂げています。
手が汚れず、塗りたい場所にさっと塗れるテープのりは一気に人気を博しましたが、こちらも用途によってさまざまな種類がラインアップされています。たとえば、まるでハンコのようにポンと押すだけでのりを付けることができるスタンプタイプ。片手で素早くのり付けができ、一定の面積にのりを付けたいときに便利です。また、カーブ部分や円形にのりを塗りたいときには、スティックのりのような形状でヘッド部分が回転するタイプがあります。
のり面への工夫も続いています。「コクヨのドットライナーシリーズは、テープの全面にのりをフラットに置くのではなく、細かなドット状にしているため、のりの切れが良く、きれいにのり付けできます。さらに『ドットライナーフィッツ』では、のり付け直後は貼りなおしができ、時間が経つとのりが浸透してきっちり貼れるという機能性を付けました」と、伊藤さん。さらに、ドット部分をハート柄や星柄にしたキュートなタイプもあるのだそう。「のりって、貼ったら見えなくなるじゃない?」なんて無粋なことは言わずに、一度は使ってみたいものです。
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2014.04.21(月)
文=鈴木糸子
撮影=中井菜央