「切れない!」「留まらない!」「違うところに穴が開いちゃった!」。オフィスで文房具を使っているとき、こんな風に思わず「イラッ」とした経験、ありませんか? 最近の文房具業界では、そんなオフィスでのイライラを撲滅すべく、さまざまな工夫を凝らした文房具が開発されているのだとか。そこで文房具業界大手、コクヨS&Tの伊藤裕美さんに「あのイライラ、どうにかならないんですか?」を相談してきました。

デキる女子ならもう常識!
あのイライラを解消する最新オフィス文房具

 たとえばテープで封筒の封をするとき、テープカッターが活躍します。でも、オフィスにあるのは10年前から使っている古いタイプのテープカッターで、テープを切ろうとするとなかなかテープが切れずにびろ~んと伸び、力を込めて下に引っぱってようやく切れる……。そんなイライラ、ありますよね。

全体のフォルムに進化はないように見えるけれど、実はカッター部分に特殊技術が! しかも、刃の部分だけを交換することができるエコ商品。「カルカット」1296円

「この問題をなくすためには、刃の切れ味を良くすればいいと思いつき、生まれたのが『カルカット』です」(伊藤さん)。画期的なのは、特殊加工刃で、刃の山・谷すべてが「刃」になっているので、軽い力ですんなり切れるようにしたこと。どんどん切れて気持ちよいほどです。

 ペーパーレスを掲げながらも、会議時にたくさんの書類を配ることも少なくありません。書類を何十部もコピーして、ステープラーで留めようとしたら枚数が多すぎて留まらない……。

「そんなときには『パワーラッチキス』を使ってみてください。10号針で32枚までという、業界最多(コクヨS&T調べ)の枚数を留められるんですよ」と伊藤さん。実際に使ってみると、針の長さギリギリまで使って留められるので、とても効率的。その上、テコの力の応用で、意外なほど軽い力で使いこなせます。

左:「パワーラッチキス」702円。手にフィットするコロンとした形もポイント。
右:穴の位置がずれないよう、定規が付いて安心の2穴パンチ「ラクアケ」1242円。定規部分はワンタッチで折りたためる。

 また紙にプリントされた会議資料は、2穴式ファイルにまとめるという人も多いよう。ここで登場するのが穴あけパンチ。通常のパンチだと用紙を半分に折って真ん中に印をつけて穴をあけます。伊藤さんいわく、「『ラクアケ』は真ん中に印を付けなくても大丈夫なんですよ。ガイドに穴の位置を測るための印が付いているだけでなく、よく使う位置にマーカーをセットしておけるので、決まった位置にさっと穴をあけることができるんです」。こちらもテコの原理を利用した構造で、軽い力で穴あけができるのも女性には嬉しいところ。

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2014.04.19(土)
文=鈴木糸子
撮影=中井菜央