春の訪れを告げるキリスト教圏最大のお祭り、2014年はいつ?

友人が焼いてくれたアニョー・パスカル。イースターらしく卵で飾り付けをしてみました。

 春分の日が近づくと、欧米諸国ではイースター(復活祭)にちなんだお菓子が店頭に並び、お祝い気分が盛り上がります。キリスト教圏では、イースターは、春の訪れを告げる最大のお祭りです。

 イースターは、十字架にかけられたイエス・キリストが、死後3日後に蘇ったことを記念するお祝いの行事。英語のイースター(Easter)という言葉は、ゲルマン神話の春の女神エオストレ(Eostre)や、春の月の名前エオストレモナト(Eostremonat)に由来するという説もあります。ゲルマンの、春の訪れを祝い月に祈りを捧げる祭りと、キリスト復活を祝う祭事が合体したものと思われます。

 寒さの厳しい冬が終わり、草木も芽吹いて暖かさを感じる季節。閉ざされた心にも春の陽気が忍び込み、希望の光が差し始めます。命を慈しむ喜びや明るい希望が芽生える春の祭りが、イースターというわけです。

 さてこのイースター、毎年毎年、日付が変わる移動祝祭日だということを知っていますか? そういえば春分の日直後にイースターを行う年もあれば、4月後半になる年も。イースターの日にちは、「春分の日の後に来る、最初の満月の次の日曜日」、つまり月のカレンダーを基に決められるのです。キリスト教における重要な祭事が、月の暦をベースに定められるというのも、興味深い事実です。

 私の記憶では、2008年のイースターが、春分の日(3/20)直後の満月(3/22)の次の日曜日(3/23)で、近年では最も春分の日に近いイースターでした。

 ちなみに今年の春分の日は3/21。その日の後に来る最初の満月は4/15(火曜日)で、次の日曜日は4/20。つまり今年のイースターは、例年よりも遅め、ゴールデンウィーク間近の4/20となっています。

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2014.04.01(火)
文・撮影=岡本翔子