この記事の連載

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『違国日記』ヤマシタトモコ/祥伝社

 突然、両親に先立たれた少女・朝を人見知りの小説家・槙生が引き取ることに……。まったく性格も異なるふたりの、ぎこちなくも愛おしい同居生活が始まる。

「ヤマシタ先生の作品は、言葉の一つひとつが沁み込んでくるぶん、心身が整った静寂の中で読みたくなります。そのため仕事や家事、子どもの寝かしつけ等が落ち着いた夜中まで読むのを我慢して、没入するようにしています。特に『違国日記』は1ページ1ページゆっくり時間をかけて(心身に)浸透させたため、気づくと夜ふかししていました。新作『SUGAR GIRL』も夜中に読みましたが、作品の雰囲気と実世界の温度がシンクロしたような感覚に陥って心地よかったです」

SYOさんの「マンガを読むときのマイルール」

「基本的に紙派なので、なるべくリラックスした体勢で読めるようにリクライニング付きのゲーミングチェア+クッションテーブルのコンボを愛用しています。そして、そのあとに予定を入れないこと。そうしないと集中できないし、余韻にも浸れないんですよね……。例えば単行本だったら1時間半くらいは空けます。

 『週刊少年ジャンプ』などだと昔はネタバレを踏みたくないので夜中に急いで読んでいましたが、最近はスマホもPCも遠ざけてデジタルデトックスした状態で日中に読むようにしています。作品によって“いつ読むか”は変えているかもしれません」

2024.09.20(金)
文=大嶋律子(Giraffe)