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“上司の前ではずっと立っている”下っ端キャラを極めている

 本多 力は俳優歴は20年以上と長く、映画『サマータイムマシン・ブルース』での田村役の認知度が高いのですが、ゲスト出演、レギュラー出演を含め、今までに数多くの舞台、ドラマや映画にも出演しています。

 だから演じた役柄もバリエーションに富んでいる……はずなのですが、それでも下っ端キャラ感が強いのは、ここ数年の間に演じていた役柄の影響です。

 大河ドラマ『光る君へ』(NHK系)で柄本 佑演じる藤原道長の従者・百舌彦を演じているかたわらで、『大奥』(フジテレビ系)では、従者ではないけれど女中から買い物などを頼まれる門番・五菜の猿吉と、上司(的な役割の人)に無理難題を頼まれたり世話を焼く役柄が並行して放送されていたので、その印象がかなり強まりました。

 2023年のドラマ『今日からヒットマン』(テレビ朝日系)では、筧 利夫演じる闇の組織の男の直属の部下、キノコ頭(役名がこれだけなんです)役。部屋に入ってもずっと座らせてもらえない哀れな部下役を、コミカルに演じていました。

 そんな風に、誰かの部下で、上司のわがままに翻弄され困惑する、アタフタする、というような下っ端キャラをすでに極めているのではと思います。上司の前ではずっと立っているイメージ。ちなみに動きも面白い。

2024.08.25(日)
文=斎藤真知子