ピテラのポテンシャルは未知数。
驚きの研究成果が続々と!

24時間体制で見守られているピテラ
SK-II滋賀工場にあるピテラの製造室は品質保持のためにかなり厳重で、培養プロセスでは空気にさえもフィルターを通して無菌状態に。24時間コンピューター【科学】とピテラ守【職人】によって管理されている。

 ピテラの研究は今も続いている。2000年代に入ると世界中の専門家たちによってその秘密が解き明かされる。「活性酸素によるDNAダメージ抑制」「抗酸化酵素の指令とも言われるAREの活性」「複数のメラニン生成プロセスの抑制」など毎年のように新しい研究結果が報告されている。

「お客様からインスピレーションをいただくことも多いんですよ。肌にこんな実感があるから調べてほしいとか、研究テーマを与えてもらっている感じです。その結果として、後のSK-IIの研究開発につながっていく。これからも新しい評価法をいち早く取り入れてわかったことをお伝えしたいと考えています」(吉井さん)

 とか言って、知らない間にすごい研究をコツコツ続けているSK-II。そのひとつが「秋田10年肌研究」だ。秋田県在住の100人以上の女性(当時6歳~63歳)を対象に約10年にわたり肌の変化を詳細に研究し、「若く見える肌」と「老けて見える肌」の違いが明らかに。しかもその後の研究もあって、1年間SK-II製品でケアしてもらって肌状態を測定し、平均してみたところ、多くの人に肌コンディションの大幅な改善が見られたという結果が。ピテラの効果をDNAレベルから確認する研究も進んでいるようだし、DNA分析を組み合わせた新しいカウンセリングも気になる。

「ピテラを多角的に研究しながら効果を検証し、その力を活かす処方を開発して、お客様に喜びや自信を感じていただきたいと考えています。“化粧品”としてできることの限界じゃないかなと思うくらいやっていますが、新しい皮膚メカニズムがわかるとまた新しいアプローチが見えてくる。現在もいくつかのアイデアを持ちながら研究しています」(吉井さん)

 今年は嬉しいニュースあります?

「ありますよ!! 近いうちにお届けできると思うのでお楽しみに」(吉井さん)

 SK-IIってこれだから目が離せない!

吉田昌佐美
キャリア35年の美容ジャーナリスト。新旧の名品やブランドの歴史を知りつくし、研究員からの信頼も厚い。CREAで長年にわたりナビゲーターを務めた連載「ブランド力調査隊」が今回からパワーアップ。確かな分析力と取材力でブランドの「強み」を解説します。コスメ好きはCREA WEB連載「吉田昌佐美の“早出し”ビューティ裏ばなし」も要チェック。

Column

吉田昌佐美のブランド魂発見!

鋭い視点からの取材力と情報の蓄積に定評を持つキャリア35年の重鎮美容ジャーナリストが、コスメブランドそれぞれの「強み」を解説。さまざまな逸品ビューティアイテムに込められた「魂」に迫ります。

2014.03.24(月)
文=吉田昌佐美
撮影=塚田直寛

CREA 2014年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

私はこの顔で生きていく

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