この地のグルメといえば、敦賀ふぐ!

 ちなみに、水島の手前の海にはブランド魚「敦賀ふぐ」(トラフグ)の養殖のいかだが浮かんでいます。

 ここ敦賀湾は三方を山に囲まれ、ミネラルを豊富に含んだ春の雪解け水が海に流れ込みます。フグの養殖場としては日本最北端に位置し、夏には水温30度まで上がり、真冬になると10度前後まで下がり、一年のうちの海水温の差が約20度も。そのため身が引き締まり、滋味深い味わいになるそう。

 敦賀ふぐを育てる中井さんによると、トラフグの歯は非常に鋭く、フグ同士で傷つけあったり、網を破ってしまったりすることがあるとか。そのために稚魚がある程度育った段階で歯切り作業を行うそう。1万匹あまりの稚魚を一匹ずつ、手作業で歯切り……。膨大な作業量に、想像するだけでくらくらしそうです。

 こうして1年半かけて手塩にかけて育てた敦賀ふぐ。フグの旬は10~3月ですが、中井さんが切り盛りする旅館「敦賀ふぐの宿 なかい」では通年、提供しているそうです。

 夏だけの水島と、夏でもいただける敦賀ふぐ。新幹線の開通で行きやすくなったことですし、この夏、いかがでしょう。夏が去った後の、芭蕉が感じ入った秋の寂しさも味わってみたいところですが。

水島

●アクセス 敦賀駅から車で色ヶ浜へ約30分 そこから瀬渡しで約10分
●おすすめステイ先 コートヤード・バイ・マリオット福井
https://www.marriott.com/ja/hotels/kmqcy-courtyard-fukui/overview/

取材協力
敦賀観光協会 https://tsuruga-kanko.jp

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

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2024.07.13(土)
文・撮影=古関千恵子