#305 Kehi no Matsubara
気比の松原(福井県)
![1万本もの松に彩られた白砂青松の気比の松原。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/1280wm/img_b69dbac523c0fe7f937ba8f8511b009a20147782.png)
前回に引き続き、今年3月に北陸新幹線が延伸されて俄然行きやすくなった福井県・敦賀を拠点とするビーチをご紹介します。
気比(けひ)の松原は日本海に面した敦賀湾の最奥部、長さ1キロのビーチに奥行き400メートルにわたって松林が広がっています。三保の松原(静岡県)、虹の松原(佐賀県)とともに“日本三大松原”のひとつとされる、由緒正しいビーチです。
大河ドラマ「光る君へ」でも注目!
![気比の松原の広さは32ヘクタール。明治中期は76ヘクタールあったものの、学校建設や道路敷設などにより、今の広さに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/1280wm/img_4d3f8a0bbb6d00e43b7701fc0d6947fd21353241.png)
もともとは氣比神宮の神苑だった、気比の松原。万葉集や日本書紀に詠まれ、江戸時代末期には歌川広重の「六十余州名所図会」の「越前 敦賀気比ノ松原」に描かれたことも。敷地内には、明治天皇が立ち寄られたことを漢詩に詠んだ勝海舟の詩碑や、高濱虚子の句碑もあります。
さらに『源氏物語』を記した紫式部もこの地に住んでいたとか。現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)でも、気比の松原付近にあったとされる「松原客館」や越前の人々との交流が描かれています。
国を代表する作品や歴史に名を刻む著名人が思わず筆を取る名勝、気比の松原。どんな絶景が待っているのでしょう。
2024.07.27(土)
文・撮影=古関千恵子