この記事の連載
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韓国ならではの“粋”をパフォーマンスで表現
世界的なラグジュアリーブランド「VALENTINO」と「D&G」の特別衣装で舞台に現れた8人は、「Say My Name」「HALA HALA」など、オープニングから惜しげもなくダンサブルなナンバーを連発した。ATEEZは個性が際立つ自由なダンスで圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。
SAN 確かに、振付は同じですけど、僕たちは、ダンスのスタイルが全員違いますからね。観てくださるお客さんからも、その点が好きだという意見をよく聞きます。
WOOYOUNG いわゆるフリー動線でのダンスでは、それぞれが歌を歌ったりジェスチャーを行ったりと、別の動きをします。そこをほめていただけるのはありがたいですね。
「The Real」は、韓国文化を強調した祝祭的な演出が鮮烈。伝統楽器を採り入れたアレンジにのせ、韓国の無形文化財である鳳山タルチュム保存会のチームを迎えて獅子舞とともにダンスを繰り広げた。このチームATEEZの卓越したセンスと能力が、それをスタイリッシュなエンタテインメントへと昇華させている。
WOOYOUNG 僕たちのパフォーマンスを通して、韓国ならではの“粋”を感じてもらえたなら、とてもうれしいです。
SAN 僕たちATEEZは、全員が韓国で生まれ育っています。だから、韓国文化の素晴らしさを、できるだけアピールしていきたいと思っているんです。
MINGI これからも、僕らのそういった側面に期待してほしいですね。
暗転後、ステージには西部劇でよく目にする酒場、いわゆるウエスタンサルーンを模したセットが出現する。8人が歌い出したのは、「ARRIBA」。この曲の間奏では、メンバー全員がグラスを満たす褐色の液体を飲み干す場面があった。アルコールが苦手なメンバーも含む彼らが、盃を飲み干した後に顔をしかめていたため、ATINYの間では、あれは本物のウイスキーではないかと囁かれていたが、これに関し、一つの事件が……。
HONGJOONG コーチェラへの出演がすべて終わってから、あのグラスの中身を明かすことになっていたのに、1週目の出番が終わった後、YEOSANGが、「あれは麦茶だった」とうっかりSNSでばらしてしまったんです。
YEOSANG 思わず真相を話してしまいました。メンバーには申し訳ないことをしました。まあ、ファンに本当のことを教えるのは、一方では爽快な気持ちでもありましたけど。
YUNHO YEOSANGは、こう見えて天然なんです。毎日こんな感じ(笑)。
SEONGHWA かわいいです(笑)。
YEOSANG これまで、メンバーが僕の面倒をよく見てくれて、何とか生きてこられたという感じです。
ATEEZ(エイティーズ)
韓国の8人組ボーイズグループ。2018年にミニアルバム『TREASURE EP.1 : All To Zero』でデビュー。2023年12月にリリースした2ndフルアルバム「THE WORLD EP.FIN : WILL」では、「Billboard 200」で自身初の1位を獲得しただけでなく、英・オフィシャルアルバムチャートで2位にランクインするなど、世界的な人気を博している。2024年4月にはアメリカ・カリフォルニア州インディオの砂漠地帯であるコーチェラ・バレーで開催された「Coachella Valley Music and Arts Festival」にK-POPボーイズグループとして史上初となる出演を果たした。
2024.06.17(月)
文=下井草 秀
撮影=土屋文護