白い肌より、美しい肌を!
最先端の美白理論や新成分を追い求め、進化を続けてきた“美白”。
今年は安全性も含め、その根本が見直されている。美白の役割とは何か、そもそも“美しい肌”とは何か。皮膚科学の専門家・岡部美代治さんと考える。
いま求められるのは、単なる美白を超えた“人肌本来の美しさ”
万葉集の中にすでに“女性の白い肌”を賛える歌が存在するように、日本人にとって古くから美の象徴であった“色白肌”。現代女性に“理想の肌”を尋ねても、必ず上位に挙げられる条件だという。そんな女性の憧れを叶えるべく、長年メラニンに関する研究が重ねられ、毎年のように新しい美白理論が登場してきた。
「そんな中、今年はあらためて美白の安全性に対する意識が高まり、ビタミンCなど長年信頼される成分が見直される傾向があります」と、ビューティサイエンティスト・岡部美代治さんは語る。
これまで“最新”“最先端”を追いかけがちだった美白化粧品。しかし既存成分の価値を見つめ直し、処方を進化させることで“安全性”と“効果実感”を追求したのが、2014年型美白アイテムの特徴といえる。
「加えて、近年はシミの改善や白さの追求だけでなく、“そもそも肌が美しく見えるためには、どうしたらいいか?”という、“美肌の原点”が注目されているように思います。美しい肌に必要なのは、透明感に加えて、“うるおいと輝き”。そのためには角層に一定の水分量があること。そして肌から美しい光を反射することが必要になります」
新作の美白アイテムは、これらの要素に対応した、保水機能に優れたデイリーケアや、細胞レベルで光の反射を検証し、肌表面&内部の光を巧みに操る美容液が充実しそうな気配だ。
2014.03.07(金)
文=宇野ナミコ
撮影=藤巻 斉