なぜ5・6・8号店だけなのか

 さて最後に多くの利用者が不思議に思っていたであろうことを植崎さんに質問してみた。

「なぜ弥生軒は5号店・6号店・8号店だけがあるのか」ということである、すると植崎さん、「よく聞かれるんだよねえ」といいながら、工場前においてあった段ボールに赤いマジックで配置図を描きながら説明してくれた。少し複雑だ。

 

 昔は下り線(1・2番線)に1号売店と7号売店、上り線(4・5番線)に2号売店、千代田線(6・7番線)に3号売店があり、その後、上り線(4・5番線)に5号そば店、(1・2番線)に6号そば店と8号そば店が出来たという。その後、3号売店、1号売店、7号売店が閉鎖となり、2号売店と5号・6号・8号の弥生軒だけが残ったということである。なんかスッキリした。すべてそば店ではなかったのだ。

〆に食べた「天ぷらうどん」は沁みる味だった

 植崎さんに別れを告げ、もう一度我孫子駅に戻って「天ぷらうどん」(410円)を「弥生軒6号店」で食べることにした。すると、また手際よく登場した。つゆをひとくち。5号店のつゆより優しい返しの塩梅である。植崎さんによると本枯れ鰹節と鯖節は硬いので一度蒸してから粉砕して出汁をとるようにしているそうだ。滋味深い味である。天ぷらには小海老がたくさんのっていてすごいリッチなかき揚げである。食べ応えもありうまい。そして自家製うどんはやや細めで、コシを残しておりこれも格別の味だった。

 何度か「弥生軒」を訪問しているのだが、今回、植崎和基さんの話を聞き、工場見学したことで、改めて「弥生軒」の駅そばとしての凄さを実感することができた。我孫子駅利用客の行動の一部に、そして記憶に「弥生軒」はがっちりと入り込んでいる。我孫子駅には「弥生軒」があり、これからもそれは切っても切れない関係のように思える。全メニュー制覇までこれからも通うことにしようと決意したわけである。

INFORMATION

弥生軒
住所 千葉県我孫子市本町2-1
営業時間  
【8号店】
月〜金11時30分〜21時
土  11時〜19時
日  11時〜16時
【6号店】
月〜金 7時〜22時
土   7時〜21時
日   7時〜20時
【5号店】
月〜土 7時〜17時
日   8時〜16時
【天王台店】
住所 千葉県我孫子市柴崎台1-19
月〜金 7時〜13時30分
定休日 土日祝

2024.05.30(木)
文=坂崎仁紀