
本書は英国の心理療法士による、いわゆる子育て本だ。だが類書と異なり、まず親が自分自身の子ども時代を振り返り、自分と親との関係を見つめ直すことを促す。そして自分の育てられ方が子育てにどう影響し、そこに起因する我が子への間違った対応はどう対処すればよいかを説いていく。
「あるお母さんがSNSで、本書について『全毒親持ちにオススメ』などと綴ってくれたんです。この投稿が約475万回閲覧されたのをきっかけに、売れ行きに火がつきました」(担当編集者の宮崎志乃さん)
《人間関係は生きているかぎり何度でもつくり直すことができます》といった著者の言葉は、毒親に悩み続けてきた人に限らず、あらゆる読者を優しく励ます。また寝かしつけの方法、子どもが嘘をついたときの対処法、親はどこまで厳しくするべきかなど子育ての実践的なアドバイスも豊富だ。
「たとえば子どもがなかなか歯を磨かないとき、『ゲームの時間を減らす』などと交換条件を出す代わりに、『お母さんは疲れていて、何度も歯を磨いてと言うのはうんざりしてしまう。だから歯を磨いてほしい』と自分の気持ちを伝えたところ子どもがすぐ磨いてくれたという実践例はそのひとつ。ちなみにこれは我が家の小学生の息子にも効果抜群でした(笑)」(宮崎さん)
親子関係のみならず夫婦関係にも役立ちそう。
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子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
定価 2,420円(税込)
日経BP 日本経済新聞出版
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2024.04.27(土)
文=山田由佳