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Vリーグは何が変わる?

坪田 アメリカのメジャーリーグでは、球場はボールパーク=遊びに行くところだと言いますけれど、そういった感覚ですよね。

柳田 男子バレーボールはやはり女性のファンが多く、それは非常にありがたいことで、もっともっと増やしていきたいという気持ちです。ただ男性やご家族連れ、小さな子供だったり、色んな世代の方、誰にでも、最終的にバレーボールが楽しいと思ってもらえるよう、とにかく入り口をいっぱい作ったほうがいいじゃないですか。

坪田 僕が観にいった時も、中学や高校のバレー部らしき人たちも、たくさん観に来ていたんですが、実際、僕が高校の時には、周囲にVリーグを観に行ったという人はあんまりいませんでした。入口は、確実に広がっているのを感じました。

柳田 僕が子供の頃は、バレーの試合を観に行っても、演出も何もなしで、試合を観たらそのまま帰るような感じでした。勝利者インタビューのようなものもなくて――そういう活躍した選手の話を聞きたいし、試合の前後にも楽しみがあるからこそ、また会場に来たいと思ってもらえる。こういった試みをチームはシーズンを通してやってきたのですが、僕もすごく楽しかったです。

坪田 すごく印象的だったのが、キャプテンの古賀(太一郎)選手のインタビューで、会場に足を運んでくれたお客様への感謝の言葉でした。バレーボールを盛り上げようとする想いが伝わってきて、僕も胸が熱くなりました。

柳田 僕らはプロチームとしてやっていて、そういう意味では皆さんに支えられている。試合ができるのも自分たちの力だけではないということは、選手ひとりひとりに自覚があって、それを古賀さんが代表して言ってくれました。ホームでもアウェイでも、東京GBの選手、チームスタッフ、フロント、ファンの方々、どれひとつが欠けても結果は残せなかったと、選手みんなが思っています。

坪田 来季はVリーグが再編されると聞いています。いろんな制度が変わると思うんですけど、結局、何が変わるのか? ファンとしては非常に気になります。

柳田 たとえば外国人枠が1人増えたりとか、将来のプランニングが短期からさらに中期になったりしています。少しずつ企業チームからプロのクラブ――JリーグやBリーグが先にやっていること、スポーツビジネスを参考にしながら、バレーボールでしっかり利益を出すことで、Vリーグを大きくしていこうという話だと思います。

坪田 バレーボールファンとしては、外国の有名選手が日本へ来るとなると、純粋に楽しみです。

2024.04.05(金)
文=第二文芸編集部
写真=榎本麻美
ヘアメイク=k.e.y小池康友
協力=東京グレートベアーズ