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 キリスト教で、イエス・キリストの復活を祝う「復活祭」。英語でイースター、フランス語でパックといわれます。春分の日のあとの満月の次の日曜日が祝祭の日となり、今年は3月31日(日)です。

 復活祭は生命の象徴であるタマゴ、そして、繁栄の象徴のウサギがモチーフ。実は、復活祭を祝うかわいいスイーツがたくさん登場するんです。

 春らしいデザインとおいしさを兼ね備えたスイーツは手みやげにもぴったり。今回はピエール・エルメ・パリのコレクションをご紹介しましょう。


タマゴが先か? ニワトリが先か?

 シーズンごとにあっと驚く視点でコレクションを提案し、楽しませてくれるピエール・エルメ氏。今回のイースターのテーマは〈パラドックス〉!

 「こうでなければならない」という既成概念を超えたチョコレートは、眺めているだけでもなにかを訴えかけてくるよう。しかも、口に入れれば絶品のタマゴたちをご紹介しましょう。

◆金継ぎエッグ

 日本古来の技法「金継ぎ」。壊れたものを修復するだけでなく、新たな価値をもたらします。エルメ氏の想像の世界に生まれた、修復されたタマゴ。金箔をまとってより豪華に生まれ変わったイースターエッグです。

 殻はプラリネ入りのビターチョコレートでできています。

◆縛られエッグ

 縄が食い込むきつく縛られたイースターエッグ。しかし、このエッグは変形しても割れることがありません。そんな〈パラドックス〉の世界に私たちを誘ってくれます。ショコラ オ レのやさしい味わいで。

◆曝(さら)されエッグ

 エルメ氏がエッグの殻の中を想像してみたら?

 曝(さら)け出されたのはランダムな凹凸の地肌。エッグの内側に秘められた複雑な生命力を垣間見て、不思議と納得。こちらもショコラ オ レを使って。

2024.03.20(水)
文=CREA編集部