皆さんは、美容師との会話で「気まずいな」「うっとうしいな」と思った事はありませんか? 「またあの会話に付き合わされるのか……」と、美容室に行くこと自体、億劫になってしまった方もいるかもしれません。
私たち美容師側も、お客様の「声をかけないでオーラ」を感じることがあり、そんなお客様が不快にならないように努めています。が、「お客様の認識」と「美容師の意図」が噛み合わず、会話自体が気まずくなってしまうケースが多々あります。
声をかけられるの気まずい問題
今回は、Xでバズっていたいくつかのポストを例にとって、「美容師はどういう意図で話しかけているのか?」というお話をさせていただきます。
「この後はどこか行かれるんですか?」という質問の意図
「この後はどこか行かれるんですか?」
誰もが一度は問いかけられた事があるのではないでしょうか?
お客様からすれば、「キレイにしたのに家に帰るだけ」という状況に後ろめたさを感じてしまうのかもしれません。
これは、美容師としてよく聞く質問ですが、明確に理由があります。それは「時間のセーフティネット」を敷きたいからです。お客様の「その後の予定」次第では、「時間制限」が発生する可能性があるのです。
美容師は、施術の所要時間を最初の「カウンセリングの段階」で決めています。ですが「退店する時間」の希望がある場合、時間内での施術が困難だと判断すると、施術途中でも「メニューの内容」を変更して、逆算して時間に間に合うようにしているのです。
それ以外にも、お客様のご予定に合わせて「スタイリングを変えますよ」といった切り口でもあります。「友達に会う」「職場に向かう」など、仕上げのスタイリングはシチュエーションによって変更する場合があります。
美容師としては「家に帰る」という返答も想定の範囲内です。お家に帰るなら、「帰ってまたシャンプーしなくてもいいように、スタイリング剤は付けない」といった選択にも繋がります。
2024.03.27(水)
文=操作イトウ