でもどうせなら、広く書いてみたいです。北海道も違うものも、両方書きたいですね。『介護者D』は現代であることと、一般の誰にでも起こり得る家庭の話で、かなり作者の視点、いってみればカメラを近くにおいた小説でした。そういった模索をしながら、いろんな時代背景、いろんな場所、いろんな人に手をつけていきたいです。
今後の展望は
――今後どんな小説を発表されるのか、ものすごく楽しみです。
河﨑 小学館さんで書いていた「愚か者の石」という連載が終わって、今単行本の準備をしているところです。それは明治時代の樺戸集治監の話です。去年1年間、日本農業新聞さんで連載させてもらった「森田繁子と腹八分」は農業コンサルタントが主人公のコメディっぽいものです。KADOKAWAさんで連載している「銀色のステイヤー」は現代の競馬の話です。どれも全然違いますね(笑)。
2019年に専業になって、これからいろんなところに取材に行くぞと思ったタイミングでコロナ禍になって行動できずにいたので、これからいろんなところに行けたらと思っています。
ともぐい
定価 1,925円(税込)
新潮社
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2024.02.07(水)
文=瀧井朝世