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「危機だからこそデカいことやろう」集まった奇跡のメンバーたち

 M‒1終了の噂が流れ始めた2010年の7月頃、「しもきた空間リバティ」(2020年に閉館)の楽屋で、磁石の永沢たかしさんが演説をするように、他の芸人さんたちに熱く語りかけていました。「なんの話?」と聞いたら、永沢さんに、「児島さん、AKB48の芸人版を作ったら盛り上がると思わない? みんなピンときてないんだよ!」と、怒りながら言われました。

 当時はAKB48の全盛期で、その売り出し方や、いわゆるAKB商法のすごさについて世間でも色々と語られていましたが、正直私も、まだピンときていませんでした。

 それから2カ月くらい経った頃、また磁石の永沢さんが楽屋で芸人さんたちに、「今はネタ番組もどんどんなくなってきて、お笑いの需要が減ってきているし、キングオブコントで優勝しても出る番組がないんじゃないか? だからみんなで業界変えるぐらいのデカいことをやるしかないんだよ!」と熱弁されているところに遭遇しました。

 前回と違うのは、その話を聞いた私が、つい「やりましょう、なんでもやります!」と言ったことです。賛同する私の声を聞いた永沢さんは、「うん、やろう! K‒PROだからユニット名は児島48でいいか! 流れ星(現・流れ星☆)でしょ、アルコ&ピース、タイムマシーン3号でしょ。あと三拍子とか鬼ヶ島も。よし、本当にやろう!」と反応し、ここでようやく新プロジェクトが動き出しました。

 危うく児島48になりかけたユニット名は、10年近く売れずに吹きだまっていることから、「吹きだまり48にしよう」ということで、FKD48に決定しました(2015年にFKDZに改名)。

 誰をメンバーにするかも、永沢さんの中でしっかりとした基準がありました。

 まず、「ライブにしっかり出ていて、ネタが面白くて、現役で活動していること」が必須の条件で、そしてもう一つ、「単独ライブで会場を満員にできること」という条件もありました。つまり、「吹きだまり」という名前とはいえ、「人気と実力を兼ね備えた、選ばれし集団」を考えていたんです。永沢さんは、「ここをしっかりしていないと、ただの同世代でわちゃわちゃやりたいユニットに見られてしまう」ということを危険視していました。

 そして、ついにFKD48は、磁石、アルコ&ピース、オジンオズボーン、鬼ヶ島、かもめんたる、キャン×キャン、三拍子、ダーリンハニー、タイムマシーン3号、ダブルブッキング、トップリード、流れ星、ななめ45°、Hi-Hi、風藤松原、マシンガンズというメンバーでスタートすることになりました。

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次の話を読む打ち合わせの後に“怒りのメール”が…アルピー、流れ星、タイムマシーン3号スター輩出、“伝説のライブ”の裏側

2023.12.24(日)
著者=児島気奈