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一面に施された印花(いんか)が愛らしい

 熊本県に「萩見窯」を構え、精力的に作陶を行っている井銅心平さんのお皿。

 李氏朝鮮時代に日本に渡った技法「三島手(みしまで)」を施したもので、手作業で押した印花(スタンプ)の上から白泥を塗り表面をぬぐうことで、独特の模様が生み出される。

「ほのかなピンク色は『御本手』と呼ばれ、還元焼成によって現れる窯変のひとつ。かわいらしさ、華やかさがあるので、お正月に花びら餅をのせても素敵。冬はグレーのもの、春は灰釉の淡いグリーンのものと合わせたりと、季節によって合わせるうつわを替えて楽しんでも」(刀根さん)

2023.12.09(土)
文=河西みのり
写真=平松市聖