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池袋の街を見下ろしながら
ところでずぼらには、その構造上、料理用のエレベーターが設置されている。料理や酒を注文するたび、1階で作られたそれらがエレベーターにのって到着する、どこか非日常な感じがまた楽しい。
![料理用エレベーター。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/f/-/img_6f711d84cd6d1e3345a1b5c47ea3fb90129249.jpg)
![「かきバター」(800円)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/c/-/img_4ccee3f73b4824cc24f2e4009c8dc8bd135804.jpg)
フライものが名物のひとつでもある店なので「かきフライ」と迷ったけれど、今日はかきバターで。ぷりぷりで旨味濃厚な旬の牡蠣の身に、香ばしいバター醤油味のブースト。選んで大正解だった。まぁ、フライを頼んでもきっと、大正解だった! と喜んでいたんだろうけど。
![「ちくわ天ぷら」(400円)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/d/-/img_9dd1d8ffd9b7a7705f8dce7888ebb444106406.jpg)
あくまで大衆のための店だから、何気ないおつまみメニューもあれこれ揃っている。酒場のつまみの隠れた花形選手、ちくわ天は、とことん安心感のある味わいだ。
![「ホッピーセット」(650円)で、もうちょっとゆっくりしていこう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/-/img_e45ce48bc7823be54bf9c3de475d709294046.jpg)
うまい料理と酒で体が温まり、ふと窓の外を見ると、そうだ、自分は池袋にいたんだったと思い出す。冷たくなり始めた夜の風がほほに心地いい。大きく姿を変え続ける街のなかにあって、貴重な古き良き酒場。これからも末長く、この場所で歴史を刻み続けてほしいものだ。
![窓からの景色。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/a/-/img_4a5944257182208277ac46f9d8fa1f56151442.jpg)
ずぼら
所在地 東京都豊島区東池袋1-23-11
営業時間 11:00~14:30、17:00~22:30
定休日 日曜
パリッコ
酒場ライター・漫画家。酒場好きが高じて会社員から酒場ライターに転身。未知の大衆酒場、ちょっと怪しいとされる店にも果敢に訪れ、心のオアシスを発掘。酒場愛に溢れた文章やイラストは、吞兵衛の心をわしづかむ。酒カルチャー雑誌『酒場人』監修。著書に多数。新刊はスズキナオ氏との共著『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』(スタンド・ブックス)ほか。
X(旧Twitter):@paricco
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2023.12.05(火)
文・撮影=パリッコ