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敬達がよく喋ってくれるようになって嬉しかった

 人見知りなところもあったのか、敬達と最初はなかなか話が弾まなかったんですが、急によく喋ってくれるようになって嬉しかったです。僕のことをすごくいじってくるし!

 塩野(瑛久)くんは別の作品で一緒になったことはあるんですけど、ちゃんと喋るのは初めてで、3人ほぼ初めましての感じで始まった現場でした。

――3人とも、本当のご親戚かご兄弟かと思うほどの温度感で、きっとすごくいい現場なんだろうなと思っていました。

 一番大きかったのは、撮影の1カ月間、みんな同じ宿に泊まったことですかね。楽屋もとくになく、同じ部屋で、ずっと3人で一緒にいたっていうのが大きかったと思います。撮影がない時間も、みんなで昼寝したり、いろいろ喋ったりしながら3人でいることが多かったので、気づいたら腹を割って話せるような仲になっていたな、って思います。

――撮影で一番印象に残っているシーンはどこですか?

 温泉のシーン(第6話)です。今回の撮影で一番過酷でした。撮影時期は8月で暑かったんですけど、実は温泉ではなく、真水の川での撮影だったので、水がすごく冷たいんですよ! 撮影場所の横にテントを作り、ヒーターを置いて、ベンチコートを着てあたたまりながら撮影していました。温泉の湯気もドライアイスなんです!

――しかも、温泉につかりながら、越山さんと2人でアイスを食べていましたよね。

 そう、アイス。あれはつらかったです! 敬達なんて、唇がブルブルして、だんだん紫になってましたし(笑)。オンが夢を語る大事なセリフもあるのに、唇がブルブルして声が震えてるんですよ。温泉であたたまっている様子が伝わっていれば嬉しいですが、頑張りもみなさんに知っていただきたいです(笑)。撮り直しのないよう敬達と2人で頑張ったので、それもあって更に仲良くなったかもしれません。

2023.12.07(木)
文=相澤洋美
撮影=鈴木七絵
スタイリスト=千葉 良(AVGVST)