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A:

かをり 正解は、耳。犬という漢字を左側に90度横に倒して、左側が顔を表しているんだよね。で、右のはらいのほうが、犬の尻尾を表していると。でも、「犬」の漢字は、倒さないでそのままで見たほうが、犬の顔に似てるような気がする。象形文字って、何で倒すやつと倒さないやつがあるの?

拓哉 知らない。古代中国人に聞いてください。

かをり 「、」は耳がピンとしている様子を表しているんだって。昔の犬は耳がピンと立っていたんだけど、家畜化が進むと軟骨とかが軟らかくなって、垂れ耳になったり、尻尾が巻いたりし始めたんだよね。でもエジプトの遺跡を見に行ったとき、垂れ耳の犬の絵が描いてあったんだよ。そこそこ早い時点で垂れ耳の犬もいたんだろうな、と。

拓哉 立ち耳の犬も仔犬の頃は耳が垂れてるよね。

かをり そうだね。狼もそうだよ。器って漢字の旧字体も、真ん中が「大」じゃなくて「犬」なんだよね。「器」には何で「犬」が入っているの?

拓哉 甲骨文字を読み解くのは、諸説あるから答えるのが難しい。『漢辞海』という辞書のアプリを開いてみたら、「食器とこれらを守るもの」と書いてあるから、守るものとして「犬」が入っているのかな。

かをり 動物の漢字って不思議だなって思うんだけどさ、「象」に専用の漢字があることに違和感ない?

 そんなに象に馴染みがある? カモノハシを意味する1文字の漢字があったらびっくりするじゃん。そんな感じの不思議さがある。象は概念としてすごい生き物だったのかな。

拓哉 象はインドや中国には、いっぱいいたからね。

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2023.11.11(土)
著者=河村拓哉、篠原かをり