ヒイラギは体表のヌメリとヒレの棘(毒はない)の処理が面倒なため、リリースされがちな魚だが、実は脂の乗りが良くしっかりした味わいのある魚だ。煮つけ、フライ、塩焼きなどの基本的な調理法でも美味しくいただけるのでキープした。

 結果、18時まで釣りをしたところ、キス1匹、ヒイラギ2匹の釣果であった。バケツに入れたまま仲居さんに渡し夕食を待った(小さくてすみません……)。

たった数百円で釣りたての魚がから揚げに!

 魚のサイズや調理方法によって値段が変動するが、キスやヒイラギのような小型の魚は1匹220円で調理してもらえる。今回はから揚げにしてもらった。

 ではキスからいただきます。

 サクサクで香ばしい! このサイズでも身に厚みがあるのでふわっとした食感も健在。ヒイラギも同じくサクサクで香りが良い。キスよりも骨煎餅に近い食感だが、噛むほどに旨味が広がり、小魚とはいえ侮れない味わいがある。一瞬で食べてしまう釣果だったが、釣りを含めた満足度は高い。

 またコース料理も能登の幸がふんだんに使われた贅沢なお料理がでてきた。

 その日に獲れた新鮮な甘エビは、身がぷりぷりでとにかく甘い。冷凍されたものに比べて肉厚で旨味がしっかりと残り、風味も豊か。

 またお刺身を食べていて気になったのが、刺身醤油。仲居さんに聞くと七尾市に蔵を構える「小山屋醤油」の刺身醤油を使用しているとのこと。これがほんのり甘く、魚の旨味を醤油のコクで上塗りしない程度に引き立てている。白身魚やイナダやカンパチといった青物に合う印象だった。多田屋のお土産屋でも売っていたので、愛用している九州の甘口醤油と使い分けたいところ。

 そしてメインのお肉料理は能登牛を使ったすき焼き。

 咬合力をいっさい必要としない柔らかな肉質に、脂はさらっとしていて上品な甘さがある。

 赤身肉を食べがちな30代の私ですが、改めて良質なお肉の脂の美味しさを味わうことができた。野菜のゴボウも香りよくご飯がすすむ!

2023.07.22(土)
文=ぬこまた釣査団(大西)