
JA全農(全国農業協同組合連合会)が2019年に広報用のTwitterアカウントを立ち上げ、旬の食材にまつわる最新の話題や調理の工夫を発信し、好評を博している。その投稿の中で話題になったものに、専門家の監修を受けた栄養に関する知識や、料理家によるレシピを追加して一冊にまとめた本が、じわじわと売れ行きを伸ばし、ヒットしている。
「JAさんのTwitterアカウントは、オススメしたいことを丁寧に、それでいて押し付けがましくなく伝える姿勢で、広報として理想的なものだと感じていたんです。なので本のための書き下ろし部分でも、その語り口のイメージを損なわないように心がけました。一度読んだら知識が身について、料理をするときに気軽に試そうと思える。そんな親しみやすい雰囲気の本にしたかったんです」(担当編集者の鎌田怜子さん)
デザインやレイアウトも落ち着いたトーンで、読む人を選ばない。40~50代の女性が主な読者層だが、男性読者の割合も高い。
キャベツは千切りにせず、大きめにカットして蒸すのも美味しい。白菜は煮るだけではなく、焼いても、生でもいける。きゅうりは炒めもので大活躍するし、煮物にも使える。身近な食材の見方が変わる知識が満載だ。鮮度をなるべく落とさない保存法などの、生活の知恵もありがたい。

2023.07.18(火)
文=前田 久