1947年に台湾で創業した国民的人気を誇る老舗サンドイッチ店が、2023年4月26日(水)に東京・高田馬場にオープンしました。
高田馬場と言えば、さまざまな国の飲食店が立ち並んでいますが、そんななかでひときわ目立つ赤いサンドイッチのロゴ看板のお店が、今回ご紹介する台湾式サンドイッチ店「洪瑞珍(ホンレイゼン)」です。
台湾での人気はもちろんのこと、お隣韓国では約360店舗も展開しているほどの人気ぶり。洪瑞珍のサンドイッチを有名Youtuberがモッパン(食べる様子を配信する動画)で食べたり有名ブロガーが宣伝したりしており、日本でもネットでじわじわと話題を集めてきています。
この高田馬場のお店が日本初上陸となる1号店。日本進出を遂げた洪瑞珍のメニューからこだわりまで、その魅力をご紹介していきます。
JR高田馬場駅から徒歩5分ほど。飲食店が立ち並ぶ通りにある、赤いサンドイッチのロゴが特徴的なお店が洪瑞珍です。
看板には「台湾No.1サンドイッチ専門店」の文字が刻まれており、10時半の開店と同時にお客さんが並んでいました。
中に入ると、グレーを基調とした内装に、ロゴマークや壁面に陳列された梱包箱の赤が差し色となっており、スタイリッシュでありながら少しレトロな雰囲気で落ち着きます。
台湾式サンドイッチにはさまざまな国のエッセンスが取り込まれている
そもそも“台湾式サンドイッチ”とは普通のサンドイッチと何が違うのか、その成り立ちについて社長アシスタントの楊舒婷さんにお話をうかがいました。
「台湾式サンドイッチの歴史は古く、さまざまな国が台湾を統治していた影響で、いろいろな国の文化が台湾に流入していた影響を受けて誕生しました。はじまりは、フランスのサンドイッチを真似たことにありました。
日本の一般的なサンドイッチは2枚のパンの間に具材を挟むものですが、フランスのサンドイッチの特徴はパンを4枚ほど重ねた分厚いもので、そのパンとパンの間に厚焼きの卵やハムなどが挟まれていました。洪瑞珍のサンドイッチもそれにならい、4枚のパンの間に3層の具材を入れるという分厚いものになっているんです。
洪瑞珍で最初にサンドイッチを売り始めた当初は戦時下でしたので、食材のコストを下げるために厚焼きではなく薄焼きになりましたが、その代わりに鉄板などで焼いて香りを残す工夫などをしています。また、アメリカ統治時代に流入してきたバターなどをペーストにして挟んだり、日本のマヨネーズなどを使用したりしてるのも特徴です。このように、はじまりはフランスのサンドイッチからですが、さまざまな国の要素を取り入れて、オリジナルの台湾式となったのです」(楊舒婷さん、以下同)
楊さんいわく、実は日本にインスパイアされた要素もあるそうです。
「商品はすべて店内の厨房で手作りしているのですが、これは日本の職人さんたちをリスペクトしているからなんです。親日家だったオーナーが、日本のお菓子作りに興味があり、職人さんたちの手作り精神に感銘を受けたことから、洪瑞珍のサンドイッチも創業当初から手作りにこだわっています。
パンの耳をカットするところからペーストを塗って挟むところまで、機械などを使ったオートメーション化はしておらず、全工程を手作業しています。訓練を積み重ねたベテランの作り手さんは、ペーストのグラム数まで正確で、パンに統一にペーストを塗る技術など、まさに職人と呼べるレベルの方々ばかりです」
2023.07.18(火)
文=瑠璃光丸凪(A4studio)