焼肉を食べる際のポイントは?
もう一つの軸は「肉」だ。
高級な韓牛、味付きカルビ、サムギョプサル、コプチャン(ホルモン)……かの地で肉の誘惑は絶ち難い。
「お肉を食べながらも“この肉をどう体の中で消化させるのか”と考えていただくといいと思うのです」(須本先生)
するとやはり、野菜なのだ。なかでも、消化酵素や胃腸に良い栄養素を含む白菜・大根・キャベツは非常によい。極端に言えば「肉と同じ量くらいの野菜を食べる」といった意識だと、マイナスも補えるのだという。
そうでなくとも、(繰り返しになるが)韓国料理のなかでキムチは「最強クラス」で腸活の味方となるものだ。小皿に盛られた分を食するだけでも十分効果を発揮する。
「日本で腸活をするにあたって、じつは一番難しいのは発酵食品の摂取なんです。納豆・ヨーグルトなど意外と数が限られていますから。その点韓国料理はかなり優秀です。必ずと言っていいほどキムチが出てくるでしょう。同時に焼肉を食べる際、発酵食品である味噌(テンジャン)を野菜に巻いて食べますよね。素晴らしいことだと思います」
韓国旅行中に食べ過ぎたら、これを食べればOK!
それでも韓国旅行中に「食べ過ぎたな」「胃腸の調子が悪いな」と感じることはある。もうこれは仕方がない。
そんな折にも……「知られざる美腸活大国」韓国にはまだまだ対策の講じようがある。
「私からの提案は『翌日の朝ごはんに気をつける』ことです。ずばり「おかゆ」にするといいでしょう」
韓国にもおかゆを食べる習慣がある。外食では決しておかゆを出すところは多くはないが時折看板を見かけることがある。韓国語で「チュク(죽)」という。
「辛いものやお肉を多く食べた日というのはやっぱり腸が疲れているものです。そこで大切にしたい考え方は『腸を温めること』そして『消化によいものを食べて腸を休めること』。温かいスープがあるなら、それをまずお腹に入れて、おかゆを食べるといいでしょう」
食べ過ぎたなら翌日にカバー。そういった発想も重要なのだ。
日本の日常を離れた旅先でも腸活を続ける。このための基本的な考え方を須本先生はこう説く。
「野菜や発酵食品を摂ること、温かいスープなどで腸を温めること、刺激物や脂っこいものを過剰に摂り過ぎないこと」
そうすれば……「楽しんで、美味しく食べて、そのうえで行く前よりも綺麗になって日本に戻る」ということも目指せる!?
2023.06.17(土)
文・写真=吉崎エイジ―ニョ