#10 クッキリ二重より、奥二重に価値がある?

 韓国女優に共通するのは、パッチリした大きな目。しかしよく見ると、クッキリ二重より、奥二重の方が美しいとの見方があるような。

 実は、清潔感が命なら、目は必要以上に大きくなくてよく、アンティーク人形のような大きな目より、パク・シネのように大きくてもすっきりと涼しげな目元にこそ透明感が現れると考える。IUのように、目鼻立ちがすべて小作りで、目元も涼しい奥二重の顔立ちがもともと人気の国。

 美容整形も、二重まぶたを作るより、鼻を小さくする施術の方が人気とか。しかも最近、キム・ダミなどの一重目に注目が集まるのも、一重目の方が顔立ちとしてインパクトがありモード感が強いからで、アジアンビューティの時代を担う勢い。

 日本ではくすぶりがちだったアジアンビューティ礼賛。でもいよいよ一重目が自信をそそり立たせる時代。韓国の功績は大きい。

#11 髪色は基本、黒髪というこだわりの、なぜ?

 K-POPの女性ユニットの髪色は、男性ユニットのカラフルさに比べるとシック。基本的に黒髪か? 金髪か? の二択であることが多い。また女優の多くは昔も今も黒髪にこだわっている。

 一方で最近、“黒髪オルチャンメイク”(黒髪でも野暮ったくも地味にも見えない透明感を重要視したメイク)という新しいジャンルが生まれるなど、改めて黒髪が注目なのだ。なぜ? これもアジアンビューティが世界に注目され、自分たちのオリジナルに誇りを持ち始めたから。

 韓国ビューティはもともと、自分たちのオリジナルを大切にし、欧米テイストを混ぜこむことは歴史的にもしてこなかった。逆に、世界のトレンドの方から、むしろアジアに近づいてきたと考える堂々たる態度が素晴らしい。自信たっぷりブレない韓国に、改めて感服!

#12 どんどん国際モード化する韓国ビューティ

 今、欧米ハイブランドがK-POPスターの争奪戦を繰り広げている。ディオールがBTSのJIMINと、ヴァレンティノはSUGAと契約。また最大の関心事はVがセリーヌと契約するかどうか。まぁBTSは納得でも、デビューしたてのガールズグループにも次々オファーがかかるのは驚くほかない。

 IVEのユジンをフェンディが、NewJeansのハニがグッチと、最年少14歳のヘインはルイ・ヴィトン、バーバリーがダニエルを獲得した。またELLEやVOGUEが韓国版ではなく本国版で韓国スターを抜擢。ともかく凄いことになっている。

 ここは素直に、グローバルに憧れを集める韓国ビューティの恐るべき洗練と世界一のモード化や、色気と清潔感の融合、そして成功への必死の努力まで、本気でいろいろ学びとらねば! 韓国人にあって、日本人にないものは、何なのだろうと。

齋藤 薫 (さいとう かおる)

女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2023.05.29(月)
文=齋藤 薫(美容ジャーナリスト)
Photographs=Hirofumi Kamaya(cosmetics)

CREA 2023年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いま、進化する韓国へ!

CREA 2023年春号

いま、進化する韓国へ!

定価950円

「CREA」2023年春号は久しぶりの韓国特集。韓屋や古いビルを大胆にリノベーションしたカフェ、アートピースみたいなスイーツ、新しい感性で作られる器や伝統の布――。久々の韓国は何もかもがパワフルに、ダイナミックに新しく変わり続けていました! ソウルを中心に、現地でやりたいことを詰め込んだ一冊を片手に、旅に出かけませんか。