2023年、創業80周年を迎え、婚礼だけでなく幅広いおもてなしの心を伝える「八芳園」。園内にある和食レストランが、コロナ禍を経て、全国から選りすぐった食材をさまざまなジャンルの調理法で味わわせてくれる「RESTAURANT ENJYU」として生まれ変わった。
四季折々、都心とは思えない豊かな移ろいを見せてくれる絶景のカウンターで楽しむイノベーティブフュージョンとは?
都心にいることを忘れさせる特別な場所
さまざまなセレモニーに対応し、おもてなしの心を伝える東京・白金台「八芳園」。園内で、落ち着ける会食の場として愛されてきた「槐樹(えんじゅ)」が、2023年4月、「RESTAURANT ENJYU」として生まれ変わった。
カウンターごしに見えるのは、400年以上の歴史を持つ庭園。そんな贅沢な空間やあたたかな接客はそのままに、料理のコンセプトは「イノベーティブフュージョン」として再度幕を開けた。
八芳園では、これまでも園全体で全国の自治体や生産者と積極的に関係を築き、その地の魅力を伝えることにチャレンジしてきており、「RESTAURANT ENJYU」のコースは、その集大成といえる。
リニューアルオープンを記念したコースメニューでは、早くも全国各地の食材が選りすぐられ、イノベーティブな調理法を提案。その内容をご紹介しよう。
たとえば、ひと皿目のアミューズとして登場する「鈴鹿墨ニョッコフリット 生ハム」は、三重県の鈴鹿墨を練り込んだニョッコフリット(イタリア・エミリア地方モデナ発祥の小さな揚げパン)と、ひらひらとごく薄くスライスしたフランス産の無添加生ハム、そしてフレッシュなイチゴを合わせる。
こちら「八幡平サーモンのモザイク仕立て」は、岩手県八幡平市で作られている清水川養鱒場の「八幡平サーモン」を佐賀の有明海苔で巻く。ジュレ状のソースは、かつお節をベースに白ワインビネガーを合わせたすっきりと透明感のある味だ。
2023.05.10(水)
文=CREA編集部