◆テクニック3 ペン1本で視線をいただく
――猫の撮影のときに、猫の心をつかむためのおもちゃなどを持っていきますか?
「いわゆる猫じゃらし、おもちゃは、私はあまり使いませんね」
――それはどうして?
「特に若い猫は遊びたくなって動きが激しくなってしまうからです。それよりもペンやレジ袋などを使ってカメラの周りでそ~っと動かします。『なんだろう?』とこっちを見てもらういうくらいが一番かわいい」
「ペンをゆーっくり動かせば、首をかしげてくれたりもして、おすすめです。興味津々なカメラ目線もいいと思いませんか」
――ここまでやらなくても! っていうくらいかしげていますね。確かにこれはかわいいかも!
◆テクニック4 逆光のときはフォルムを優先!
――よく猫は窓辺にいるんですが、明るいのはいいけれど、逆光になってしまうことが多くて……。
「スマホだと露出を簡単に変えることもできますが、あえてそうせずに、猫のシルエットを撮って楽しみます。猫の繊細な毛並みや、ほんの少しの耳の角度で『なにを考えているのかな~』って想像させますよね。猫のそんなところが大好きです!」
――なるほど。上の写真でも、外になにか興味を引くものがあるのがわかりますね。
猫がかわいい表情やポーズをしているとき、慌ててスマホを構えるけれど、そのときにほんの少しだけ気を配ると写真の完成度がぐっと増します。ぜひテクニックを活用して、愛猫の写真をもっとかわいく!
●教えてくれたのは……
清水奈緒(しみず・なお)さん
フォトグラファー。京都市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業。シカゴ美術館附属美術大学で写真の基礎を学び、大阪で内池秀人氏に師事。現在は愛猫デコと東京都在住。著書『猫の撮りセツ』(エクスナレッジ刊)は、猫の撮影テクニックがわかるだけでなく、清水さんの猫写真集としても楽しめる一冊。猫だらけのInstagramアカウントは@cheese1003
2023.02.25(土)
文=CREA編集部
撮影=清水奈緒、CREA編集部