マテ茶があれば巨大ステーキも怖くない?

パラグアイ南部のベラヴィスタ周辺のマテ茶畑。マテの木がずらりと並んでいる

 マテ茶は南米のブラジル、アルゼンチン、パラグアイで生産されている。南米の強烈な日差しと、鉄分やカルシウムが多い赤土が育んだ奇跡のお茶だ。「飲むサラダ」と言われるほどミネラルとビタミンが豊富に含まれているほか、ポリフェノールの含有量は赤ワインを上回っている。古くからインディオがマテ茶を飲んでいたのは、身体が必要としていたからという説もあるほどだ。

 その成分には、デトックスをはじめ、抗肥満や抗酸化の効果、つまり、ダイエットとアンチエイジング効果があるのだ。さらに、食欲増進や消化促進効果もあって、食いしん坊さんにとっては夢のようなチカラを持っている。その美容&健康効果は絶大だ。また、南米の牛肉は脂質が少なくアミノ酸が豊富な赤身肉。そのアミノ酸とマテ茶の栄養成分がベストマッチで、野菜が不足しても充分に栄養バランスが取れるのだという。

ベラヴィスタの街にあるマテ茶博物館では、マテ茶の製造工程を模型で説明してくれる

 マテ茶の茶葉は茎とともに細かく破砕されている。それをグアンパにたっぷり6分目ほど入れて80℃程度の湯を注ぐ。ひとつのグアンパで回し飲むのが一般的で、年少者やチームの新人などがお湯を入れる係となる。茶葉に刺さっているボンビージャをぐるぐるかき回したりするのはNG。急激に濃くなってしまうから。また、次の人のためにお湯は飲み干すのがマナーで、最後にズズズッと音がするまで飲みきるのがコツ。「グラシアス」と言ってお湯を注ぐ人に返せば、もういらないというサインになる。

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2013.11.19(火)
text & photographs:Aisha Takase