小さいながら繊細な意匠を楽しめる

◆「干支の豆こけし 卯」(1,540円)

 続いてご紹介するのは、群馬県榛東村の工房「卯三郎こけし」と作り上げた、3.5センチほどのミニサイズの「干支の豆こけし」。全国一の創作こけし生産量を誇る群馬県の山間部、利根・吾妻で切り出された木が用いられています。

 筆の絵付けに加え、彫刻や焼き絵を施して立体感があり、小ぶりながらも非常に上質な雰囲気を漂わせています。伝統的なこけし職人の技と新しく愛らしい表現技法が織り交ぜられた、デザイン性の高いこけしと言えるでしょう。

 木のなめらかな手触りが心地よく、赤い敷布の上にポツンと鎮座した干支こけしは、見るたびに頭をなでたくなるかわいさがあります。

しっぽのろくろ模様がチャームポイント

◆「干支こけし 卯」(4,950円)

 最後は洗練されたエレガントさのある「干支こけし」。伝統的なこけしの技術を用い、複数のパーツを組み合わせてうさぎのフォルムを表現しています。

 最低限の線と形、色のみで構成されたこけしですが、却ってそのシンプルさがトラディショナルなこけしの上品さを引き出しています。造形の曲線や均一な絵付けは、職人によって美しく仕上げられているそう。

 しっぽの部分には、こけしならではの「ろくろ模様」が施され、シックなかわいらしさがポイントとなっていますね。

――プレーンな見た目ながら、歴史ある職人の業が詰め込まれた「中川政七商店」の干支飾り。愛くるしいうさぎモチーフの縁起物とともに、2023年を穏やかに、健やかに過ごしたいものですね。

中川政七商店

https://nakagawa-masashichi.jp/

2022.12.27(火)
文=おがわるり〈A4studio〉