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 2022年、レコードデビュー50周年を迎えた郷ひろみさん。2022年12月21日(水)に50周年を記念したオールタイムベストアルバム『Hiromi Go ALL TIME BEST』を発売し、12月には50周年を記念した全国ツアー「Hiromi Go 50th Anniversary Tour "The Final Countdown" in 2022」を行いました。「ファンのために歌い続ける」という郷さんに、これまでとこれからをお聞きしました。(全2回の1回目。後篇を読む)


3つの世代を「駆け抜けてきた」

──1972年に『男の子女の子』でレコードデビューしてから今年で50周年です。郷さんにとってどのような50年でしたか?

 ふり返ればあっという間でしたね。デビューしたのは昭和だったので、僕のなかでは昭和、平成、令和と3つの世代を文字通り「駆け抜けてきた」というイメージです。

 50年の間に変わったことはたくさんあるけれど、いろいろなことがすごく便利になったなというのは感じます。たとえば音楽の見せ方やステージ技術もそうです。僕たちがデビューした頃はレコードでしたけど、それがCDに変わって。誰もが画期的だと思った。しかし、今はそれが配信という形に変わり、単純に「アナログからデジタルへ」という違い以上に、便利になったなあと思います。だからこそ、今あるものがあたりまえじゃなく、感謝できるのかもしれませんね。それは長くやってきたからということもあると思います。

──50周年を記念した最新曲『ジャンケンポンGO!!』は、華やかでエネルギッシュなかっこいい曲です。この新曲についての思いもお聞かせください。

 新曲はいつも、百曲ぐらいの中から絞り込まれてできあがっていくんですけど、今回は最後2曲にまで絞り込まれた中の1曲が『ジャンケンポンGO!!』でした。

 もう1曲はヨコノリの曲で、今までの僕だったらそちらを選んでいたかもしれませんが、それだと「ひろみさんならこっちを選ぶだろう」という予想を超えない気が、ふとしたんです。だから、奇をてらうというわけではないですが、フレキシブルに考えて、タテノリのこちらの曲を選びました。

 どちらも本当に素晴らしい楽曲だったので最後の最後まで迷いましたが、「挑戦」が大事だと思っていることもひとつの決め手になりましたね。以心伝心という言葉もあるように、僕自身がいつも新しいことや違うことにチャレンジする気持ちがないと、まわりのスタッフも萎縮してしまうんじゃないかなあとも思うので……。

2022.12.25(日)
文=相澤洋美