この記事の連載

緻密な設計図を基に季節の風情を和菓子に昇華

#02 柏屋「季節のかさね」

 大阪・千里山に佇む数寄屋造りの料亭「柏屋」。「季節のかさね」は、平安王朝の十二単に見られる襟元や袖口の色の重ねで季節の風情を表現した「かさねの色目」に想を得た菓子。天然素材でつくる餡をさまざまに組み合わせ2.5センチ四方で表現した、目でも舌でも楽しめる菓子。彩りは月替わりで、数量限定販売。

「ビジュアルの美しさと細やかな仕事が融合した傑作」(門上さん)

柏屋

電話番号 06-6386-2234
賞味・消費期限 冷蔵で10日前後
https://jpkashiwaya.base.shop/
※通販可
※月替わり、数量限定販売のため掲載商品と内容が異なります。
●購入はオンラインショップから

京都らしい組み合わせ 時を超えて受け継がれる味

#03 御菓子司 鍵善良房「濤々」

 よく焼いた麩焼きの煎餅で、大徳寺納豆を刻み込んだ特殊煉餡が挟んである。武者小路千家官休庵の十三代家元・有隣斎宗匠により考案されたもので、惜しまれながら閉店した「京華堂利保」より引き継ぎ、令和4年の春より発売。「濤々」の銘は波の音の意で、釜の煮え音を表したものと理解されている。

「麩焼き煎餅の軽さと大徳寺納豆風味の餡を合わせた創意が見事」(門上さん)

御菓子司 鍵善良房

所在地 京都府京都市東山区祇園町北側264
電話番号 075-561-1818
営業時間 9:30~18:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日休)
賞味・消費期限 5日
https://www.kagizen.co.jp/
※通販可/御菓子司 鍵善良房 四条本店

●教えてくれたのは……

平松洋子(ひらまつ・ようこ)さん
作家・エッセイスト

食文化、暮らし、文芸などをテーマに執筆活動を行う。近著は『dancyu』の人気連載をまとめた『パセリカレーの立ち話』(プレジデント社)。
嬉しかった贈りもの:箱詰めの生牡蠣。


門上武司(かどかみ・たけし)さん
GÉODE 代表取締役

フードコラムニスト、『あまから手帖』編集顧問。食シーンでマルチに活躍。著書に『僕を呼ぶ料理店』(クリエテ関西)ほか。
嬉しかった贈りもの:松前屋のきうひ昆布。

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“おいしい”を知る賢人御用達
間違いのない贈りもの

2023.01.22(日)
Text=Motoko Saito
Photographs=Naruyasu Nabeshima
Cooperation=UTUWA

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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