一方のiPhone 14 Pro Maxは、これまでの「1x」と「3x」の間に「2x」を新たに用意し、タップでの一発切り替えを可能にするなど、倍率よりも日常での使い勝手を重視した改良が施されています。使いやすさだけで言えば、iPhoneのほうが上のように感じられます。

 

広角&マクロ撮影──iPhoneには及ばずもPixel猛迫?

 Pixelは、これまで0.7倍だった超広角レンズが0.5倍に改められています。従来の0.7倍は超広角と呼ぶには少々厳しい画角(114°)でしたが、今回は「これぞ超広角だ!」と言える、広い範囲(125.8°)を撮れるようになりました。iPhoneの0.5倍(120°)と比較すると、切り取れる範囲はわずかに狭いようですが、ようやく実用レベルに達した印象です。

 またPixelは新たにマクロ撮影にも対応し、被写体に3センチまで寄っての撮影が可能になっています。iPhoneに比べてややのっぺりした絵作りになるのは気になりますが、これまでPixelが対応できていなかったり、劣っていた機能を次々と追加・改良し、先行するiPhoneに迫りつつあることが分かります。

 

バッテリーの持ち──実質的に引き分け?

 バッテリーの持ちはどうでしょうか。明るさを100%、音量オフの状態で「ABEMA」アプリを連続再生したまま放置しておいたところ、iPhoneは12時間43分、Pixelは13時間24分でバッテリーがなくなりました。Pixelのほうが優秀……と言いたいのですが、時間差はわずか30分ちょっとにすぎません。

 これが2~3時間もの差がついているならまだしも、ほんの30分ちょっとであれば、設定ひとつで容易に逆転するレベルだけに、実質引き分けと言えそうです。ちなみに海外サイトでの同様のテストでは、YouTubeの連続再生で逆にiPhoneのほうが長持ちしている事例もあったりと、真逆の結果が出ている場合もあります。

2022.11.18(金)
文=山口真弘