秋が深まり、気持ちもゆったり。旅をしたい気分が高まってきました。

 紅葉や秋祭り、収穫のよろこびなど、日本にはたくさんの美しい秋の絶景・風物詩があります。

 そんな「秋の絶景」を集めた「いつか行きたい! 『日本にしかない風景』再発見」2021年秋篇に、新たな景色を追加して、2022年版をお届けします。

 四季があり、自然の移ろいを感じられる日本。各エリアの観光の達人が選ぶ、その地に息づく秋の景色をお楽しみください。

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆九年庵

 九年庵は、佐賀の実業家・伊丹弥太郎によって築造された別荘と庭園で、国指定の名勝。敷地内では約60種700本もの植物が見られ、紅葉の時期には紅色のグラデーションと青々とした苔の、見事なコントラストを望むことができる。

 「伊丹弥太郎が9年の歳月をかけて築いたことから、九年庵という名前がつきました。

 数寄屋造りの邸宅と、筑紫平野を借景にした庭園にはツツジやモミジなどが植栽され、自生する木立や一面に生えたスギゴケとともに、風情あふれる景観を見せてくれます。

 毎年、紅葉の見ごろの時期に9日間と、春の新緑の時期にのみ一般公開されます」(佐賀県内観光協会スタッフ)

※公開期間:2022年11月15日(火)~23日(水・祝)

九年庵(くねんあん)

所在地 佐賀県神埼市神埼町的1696
https://www.asobo-saga.jp/search/detail.html?id=80

◆シチメンソウ

 シチメンソウは高さ20~40センチメートルのアカザ科の一年草で、九州北部、朝鮮半島、中国の一部の沿岸にしか自生しない珍しい植物。晩秋になると紅葉したシチメンソウが有明海沿岸を真っ赤に染め上げるため、「海の紅葉」と呼ばれている。

 「葉っぱがこん棒状に枝分かれして伸びた独特の形をしていて、満潮時に潮をかぶり、干潮時には干潟の環境で生育する貴重な塩生植物です。

 まるで山々が紅葉するように色づくさまは、有明海の風物詩としても知られています」(佐賀県内観光協会スタッフ)

シチメンソウ

所在地 佐賀県佐賀市東与賀町大字下古賀
https://www.asobo-saga.jp/search/detail.html?id=78

2022.10.25(火)
文=佐藤由樹